世界を代表する食用魚、「鮭と鱒」の話

鮭 とと

サケ・マスは世界的に愛されている魚です

一口に「サケ」と言っても、その仲間(サケ科の魚類)は世界各地に70種ほど存在しており、その大半が世界中で食べられています。

今回はその中でも日本人が食する機会が多い、

・サケ

・ギンザケ

・ベニザケ

・カラフトマス

・マスノスケ

・タイセイヨウサケ

・ニジマス(スチールヘッド・トラウト)

について解説します。

サケ(シロザケ)の特徴

日本では一番メジャーです(荒巻など)。

「前髪~尾びれの切れ込み」までの長さは80センチ以上。

尾びれには「銀白色の、少し広い放射線状の線」がついています。

北太平洋の全域に生息しています。

日本では主に、日本海側では「山口県以北」、太平洋側では「利根川以北」の川にのぼります。その中でも特に北海道・東北地方に多くいます。

日本の河川で生まれたサケ達は、北太平洋中西部(北緯40度よりも北)まで泳ぎます。

9月~2月頃が産卵期。

およそ2か月で孵化し、2~5月頃に稚魚が海に下り、その大半は産卵を目的として4年間ほどで、故郷の海に戻ってきます。

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以前、北太平洋の紅海にてサケ・マス流し網漁業が行われていたのですが(春~初春)、1992年にストップがかかりました。そのため現在の「日本の船のサケ・マス漁業」は「日本200海里以内+ロシア200海里以内のうち、交渉で認められた範囲」となっています。

秋頃に、沿岸において定置網等で漁獲されています。

サケの美味しい食べ方

荒巻は焼き魚、「あら」は三平汁が人気。

生サケはステーキ、石狩鍋、包み焼き、ムニエルなどにすると特に美味しいです。

卵巣は基本的に「すじこ」や「イクラ」になります。

pointすじこ:卵巣のうち未熟なもの

pointいくら:卵巣のうち完熟したもの

「サケの身を冷凍してカットした刺身」のことをルイベと呼びます。

サケ・マスには「寄生虫への感染リスク」がありますから気を付けなければなりませんが、「10~20時間ほどマイナス20度未満で冷凍する」ことによって、感染リスクを限りなくゼロに近づけることが可能です。

ベニザケの特徴

「前髪~尾びれの切れ込み」までの長さは60センチ程度(陸封型のヒメマスなら40センチほど)。

「太平洋の北緯40度より北」に広く生息しています。

checkベニザケは択捉島までしかさかのぼらないため、北海道の河川までは来ません。

そして日本における陸封型のヒメマスの原産地は、チミケップ湖と阿寒湖(いずれも北海道)です。

ロシアや米国などが輸入相手。

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日本でも「北海道の太平洋沿岸」にて定置網漁が行われていますが、漁獲量は非常に少ないです。ただ、今は「ロシア200海里以内」でも漁獲しています(ロシアとの協定があります)

ベニザケの美味しい食べ方

ベニザケはサケ・マス類の中でも、トップクラスで愛されています。赤みが一番強く、脂も乗っているからでしょう。

日本国内では新巻や塩引の「塩蔵」がメインですが、北米では「缶詰」にされることが多いです。

ヒメマスも人気であり、塩焼きなどで食されるケースが目立ちます。

ギンザケの特徴

頭部の背面には小さな黒い点があります。しかし通常、尾びれには黒色の点はありません。

カリフォルニア、ベーリング海、「日本海(中部以北)~オホーツク海」、沿海州、北太平洋のほぼ全て、などに生息しています。

産卵のために日本の河川に戻ることはほとんどありません。

全長は60センチほど。

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また、「ギンザケのうち、チリで海面養殖されたもの」のことを「ちりぎん」と呼びます。

日本国内での養殖は三陸海岸で行われています。

利用方法はサケと同様です。

マスノスケの特徴

キングサーモンとも言われるマスノスケ。

資源量が米国側に偏っているものの、太平洋(北度40度以北)に生息しています。

「10キロ/全長90センチ」ほどが平均値ですが、「61キロ/150センチ」というマスノスケも確認されています。

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尾びれの全体に黒い点が散らばっており、後部は黒色に縁取られています。

春~初夏頃、北海道の太平洋側に来ます。

定置網での漁獲が行われていますが、あまり獲れませんから高額になります。

マスノスケの美味しい食べ方

脂が多い身が特徴で、「サケ・マスの中ではマスノスケが一番美味しい」と感じるロシア・北米人が多いです。

燻製、フライ、塩焼き、ルイベ、ステーキなどが人気です。

カラフトマスの特徴

尾びれ全体に黒色の点が散らばっています。後部に黒色の縁取りはありません。

9~10月頃が産卵期です。

「2.5キロ/尾叉長60センチ」ほどが平均。

太平洋(北度36度以北)に生息しています。

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日本では、「北海道北部の日本海への河川」、太平洋、根室海峡、オホーツク海(北海道)にさかのぼります。特に根室海峡とオホーツク海にたくさん来ます。「北太平洋における資源量トップの種類」です。

日本においては夏~秋頃に、オホーツク海沿岸をメインとして、定置網漁が行われています。

ちなみに、サケ・マス類の卵巣(卵)は基本的に「すじこ」か「イクラ」となりますが、カラフトマスの場合は「ますこ」と言われる場合もあります(加工方法はほぼ同じです)。

タイセイヨウサケの特徴

全長150センチほど。

体側と頭に黒色の点がついていますが、側線より下部には少ししか黒色の点がありません。

北太平洋の北部に生息しています。

南半球をはじめとする世界の色々な場所で養殖されています(成長スピードが優れているため)。

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「漁で獲れる量」はわずか4000トン程度なのですが、例えば2002年には108万トンものタイセイヨウサケが生産されました(世界合計)。

特にカナダ、イギリス、チリ、ノルウェーなどで盛んに生産されています。日本に輸入され始めたのは1980~1990年頃。

ノルウェーで海面養殖されたものが、入ってきました。そして、今ではタスマニアやチリなどの養殖タイセイヨウサケも輸入しています。

タイセイヨウサケの美味しい食べ方

塩焼き、粕漬、燻製などが人気です。

サケ・マス類ですから本来は「寄生虫の感染リスク」があるのですが、養殖魚である関係上、エサが加熱もしくは冷凍されていますので、実際には感染の危険性はありません。

また、そもそもタイセイヨウサケを生で食べることはほぼないでしょう。

ニジマス(スチールヘッド・トラウト)の特徴

養殖の場合、体側の中央に「赤」か「赤紫」、もしくは「ピンク」の点があります。

アラスカおよびカムチャツカからメキシコ北西部に生息していますが、南半球をはじめとする世界中で養殖されています。

1877年から、日本にも卵(カリフォルニア産)が何回か運ばれてきました。

スチールヘッド・トラウト海に下って大きくなる陸海型
カムチャツカン・トラウトスチールヘッド・トラウトのうち、ユーラシア大陸側のもの
レインボー・トラウト(ニジマス)淡水型であり、ずっと湖や河川にいる

という差があります。

尾叉長に関しては、「陸海型:100センチ超え」「降湖型:90センチ」「河川型:60センチ」ほどとなっています。

日本の色々な場所でニジマスの養殖が行われていますし、自然繁殖している場所も存在します。もちろん、世界各地においてもニジマス(スチールヘッド・トラウト)が養殖されています。特にノルウェーやチリで養殖されたものが、冷凍状態で日本に輸入されています。

ニジマスの美味しい食べ方

ルイベ、ムニエル、フライ、塩焼きなどが人気です。

加工品としては燻製など。

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