全国各地のイカの話 瀬戸内海編

瀬戸内コウイカ とと

昨今のコロナ災禍において、なかなか外出ができない日々が続いていますが、ご飯はおいしく食べられていますか?
水産物の魅力を発信する私としては是非とも皆さんに美味しい水産物を食べてもらいたいと切に願っています。

でも、私の周りには「外食する機会が減ったから魚を食べる機会も減ったなぁ」とか「スーパーで食材をみても魚は高いから選びにくい」
といった声が溢れていますよ。

みなさん、ちょっと待ってください!水産物は「外で食べるもの」「スーパーで購入するもの」とだけ思っていませんか?

そうじゃないんですか?

今のを聞いてピンときた方も多くいらっしゃるかと思います。そうです、水産物には「釣り」という最高に楽しいアウトドアスポーツがあるじゃないですか。
イメージしてみてください。

青い空と青い海を眺め、釣り糸を垂らして待つ静かな一時。遠くではカモメが鳴いており、波の音が一定間隔でザバーン、、、ザバーン、、、と。ふと竿の先をみるとピクピクと当たりの兆候。あなたは慎重にかつ大胆に竿を引き上げ合わせに行きます。すると見事ヒット!ゆっくりと巻き上げた糸の先には美味しい晩御飯のメインがついてきています。

釣り人には周知のとおりかと思いますが、釣りは雄大な自然に心が癒され、魚との格闘に心が躍り、とてもリフレッシュできます。人がいるところでは感染対策は必要ですが、アウトドアができるようになれば是非ともおすすめしたいレジャーの一つです。

そしてなぜこのようなお話をしているかというと、今回ご紹介するイカがそれこそ「釣り」がおすすめの瀬戸内海のコウイカだからです。
皆さん、コウイカはご存じですよね?
「アオリイカやスルメイカは聞いたことあるけど、コウイカ?」と首を傾げたそこのあなた。是非とも今日は”釣りで楽しんでよし、天ぷらや刺身などで食べてよし”の瀬戸内海のコウイカを知っていってください。

そもそもコウイカとは?

コウイカは国内で広く流通しており、特徴として貝殻(甲)を持ったイカになります。
関東ではスミイカ(墨烏賊)西日本ではハリイカ(針烏賊)と呼ばれ、すしネタとしても天ぷらネタとしても多く食べられている品種です。味がいいので高値で取引され、ほとんどが料理店などで利用されています。すこし面白い話ですが、地域によって好まれるタイプが異なります。
関東では墨にまみれた状態での入荷を好み、中部以西では海水できれいに洗って出荷してくるタイプを好んでいます。この理由には諸説あるため言及はできませんが、地域ごとにコウイカに対する特定のイメージがあることはうかがい知れますね。ただ最近では関東でもきれいに洗ったコウイカの値段が変わらなくなってきていることから、認知理解は地域固有から日本全体に広がっているのかもしれません。また、東京では生まれて間もない夏に鹿児島から入荷してくる小さなものを「新いか」などといい、1キロあたり1万円を遙かに超える超高級品となっております。これが秋から冬になり、春から初夏にかけて盛期を迎え一年で寿命を終えるので、季節によって味が変わるのが特徴的です。コウイカの漁法は刺し網、カゴ漁、底曳網などで行い、主な産地は瀬戸内海沿岸、三河湾、九州がメインとなっています。


<墨入りで出荷されるコウイカ>

コウイカの生態と生息地

コウイカはどのような場所に生息しているのでしょうか?コウイカは砂地・岩礁交じりの砂地を好んで生息し、主に甲殻類や小魚をエサにしていますが、大好物がシャコとなかなかグルメ通であることも有名です。アオリイカほど活発には泳ぎ回らず、どちらかというと海底に身を潜めて獲物を待つスタイルが多いです。イカらしく獲物を捕らえるための「2本の触腕」を持っていますが、わざわざコンパクトにしまっておくためのポケットのようなものをもっており「海底にある石ころ」のように丸まって潜んでいます。同じイカと言ってもスルメイカやアオリイカとは異なり、地べたでじっとしているタイプなわけです。マリオのゲッソーのようなイメージをされていた方には少し驚きかもしれません。またコウイカは別名で「スミイカ」とも呼ばれるように、物凄く大量のイカ墨を蓄えています。堤防に釣り上げると、まるで噴水のように墨を吐いて回転しながら大量の墨で真っ黒になることもしばしば。スミもアオリイカのものとは質感が微妙に異なっています。コウイカからしたら「他のイカとは違うのだよ」と言っているのかもしれませんね。

瀬戸内海でのコウイカ

おおむねコウイカとはどんなイカかわかってきたところで、本題の「瀬戸内海のコウイカ」について入っていきたいと思います。基本的に砂地を好むコウイカにとって、瀬戸内海は生息しやすい地域と言われています。理由として日本海や太平洋と比べると大きな波は少ないため、一般的に砂地が多くなりやすいのが考えられます。さらに南と北の海流から運ばれてくるプランクトンが豊富で、コウイカの餌となる甲殻類が育ちやすいのも要因の一つと思われます。様々な要因が絡んでコウイカは瀬戸内海に多く生息しています。その結果として瀬戸内海でのコウイカ釣りの釣果が多くネットにあげられていますね。
では味はどうでしょうか。非常に美味しいのが瀬戸内海のコウイカの特徴です。
身に厚みがあり、噛むともっちりとした濃厚な食感が最大の醍醐味ですね。大型で身が分厚すぎるときは、切り身を1日冷蔵庫で寝かすことで硬さがほぐれて甘みが強まってきます。
高級な寿司ネタにもなるため、やはりまずはお刺身で食べるのが一番でしょう。また厚みのある身はフライにしても食べ応えがあって非常に美味いです。意外に短くて可愛らしいゲソの部分は、さっと茹でたものをポン酢でいただくとこれまた美味です。もちろん塩焼きや、醤油で味付けしても美味いのでお酒のお供にも最適な1品ができあがりますね。

コウイカの釣り方

少しマニアックかもしれませんが、コウイカの釣り方もお伝えしようと思います。
コウイカはアオリイカと同じような釣り方で狙えますが、コウイカがいる場所が完全に海底なので泳がせ釣りで狙うのはなかなか難しいです。エサ釣りで狙うなら、タコ釣りで使う仕掛けを用意してシャコや生きた大きめの海エビなどを使うのが一般的ですね。海底をおどらせるようにゆっくりと浮かせたり落としたりしながら誘っていくのも、タコ釣りと共通しています。船釣りではシャコを使ったテンヤという仕掛けで狙うのが一般的ですが、堤防釣りでコウイカを釣るならエギを使ったルアー釣りでも十分に楽しめます。エギを使った釣りの中でおすすめなのはディープタイプエギによる釣りです。これは沈みの早いエギもしくは重りをつけることで素早く海底にエギを落として、海底にいるコウイカを狙います。また春先で産卵のために接岸しているときなどは、堤防の際でエギを上下させているだけでも釣れる事があります。アオリイカほど派手なアクションは必要なく、しゃくるというよりも海底をキープしながらエギを踊らせていくという動きで十分に釣れるので結構初心者向けでもあります。

釣り上げるときの注意点

大量のスミを蓄えているのと、堅い甲があるためか小柄なイカでも意外と重量があるのが特徴的です。堤防の上に持ち上げるときに重さで落としてしまうこともあるので、掛かり具合を見てタモ網などを使っていくのが確実ですね。



<エギをつかむコウイカ>

いかがでしたでしょうか。
是非ともチャンスがあれば瀬戸内海でコウイカフィッシングにチャレンジし、おいしいイカを召し上がってみてください。
勿論コウイカはスーパーなどでも売っていますのでお見かけの際は食してみてくださいね!

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