イクメンパパの象徴! タツノオトシゴ

ととナビ

魚らしくない体の形に、魚らしくない名前の水族館の定番の魚、タツノオトシゴ。
実はわが子が産まれるまで守り抜くイクメンの魚なのです。
今回は水族館の人気者であるタツノオトシゴについて紹介します。

タツノオトシゴという名前

なぜこのような名前が付いたのかな。

それはね、この見た目が由来しているんだよ。
魚らしからぬ長い顔、ゴツゴツした身体はまるでたつの子どもみたい。

英語ではSeahorse(海の馬)と呼ばれてるけど、これは頭の形が馬に似ているからなんだって。

タツノオトシゴの体

龍の子どもとは言えよく見ると魚の特徴があります。

首のところには魚の特徴である鰓孔(えらあな)があり、その後ろに胸びれがあります。
また背中部分には背びれがあり泳ぐときにはこの背びれを細かく動かし前進していきます。
また尾びれは無く尻尾のような尾部を海藻などに巻き付けて体を固定しています。

オスのタツノオトシゴにはお腹部分に育児嚢(いくじのう)という袋をもっており、そこで卵から子どもが孵化するまで育てています。

メスは育児嚢(いくじのう)を持っていないためタツノオトシゴのオスとメスは簡単に見分けることができます。

育児の仕組み

繁殖期に入ると育児嚢をもつオスは、まず体を前後に動かして育児嚢に海水を取り込み、卵を受け取る準備が出来たことをメスにアピールします。

そのオスが気に入ったメスはオスと一緒に行動を共にし、手をつなぐように尻尾を絡ませ合いダンスを踊ります。

そしてついにメスは卵を輸卵管という管を通して、オスの育児嚢の中に産み付けます

卵を受け取ったオスは育児嚢の中で放精し受精します。そして受精卵となった卵が孵化するまでは大きく動くこともなく数週間じっとその時を待ちます。

2~6週間経過するとオスが体を前後に揺らしながら、育児嚢から100~2000匹ほどの子どもを放出します。イクメンとはいえ、オスの役目はここまで。生み出された1㎝もない子どもたちは自分の力で生きていきます。

タツノオトシゴの食事

タツノオトシゴは主にプランクトンを食べて生活しています。
突き出た長い吻(くちびる)の先端に小さな口があります。口のサイズは突き出た筒のような吻(くちびる)と同じくらい開くことができます。


水族館ではイサザアミというアミエビの仲間を生きたまま、または冷凍のものを与えます。
種類によってはアルテミアというプランクトンの成体も食べます。

餌の食べ方が特徴的だよ。

まず餌を目でしっかり見ながら追いかけ、餌に対して下から吻を突き上げるようにして丸呑みします。
ただそんなに早く移動することが出来ないためか、餌を捕まえるのが少し下手なようで何度も空振りをしているのも見ます。しかし諦めずに与えた餌をちゃんと完食します。

タツノオトシゴの種類

現在世界の海には約40種類ほどのタツノオトシゴの仲間が生息しています。基本的な体つきは同じですが色や大きさ、また種類によっては体に装飾品のようなものがあるものもいます。少し紹介していきましょう。

オオウミウマ

日本では伊豆諸島以南の岩礁域で見られます。タツノオトシゴ属で最も大きくなる種類で25㎝ほどになります。大型であるため尻尾で巻き付けるものも大きく、水槽の掃除をするために手を入れるといつの間にか指に巻き付いていることがあります。大きな体ですが環境の変化に敏感で、飼育が難しい種類でもあります。

イバラタツ

日本では伊豆諸島以南の岩礁域で見られます。見た目がその名の通りイバラのように体に棘(とげ)を複数持っており、普通のタツノオトシゴと同じくらいの大きさですが簡単に見分けることが出来ます。このイバラのような棘は海藻などに擬態するためにあり、海藻に体を固定すると水の流れにも逆らうことなく、ゆらゆらと揺れており動くことはあまりありません。

ハナタツ

日本では本州中部から九州の岩礁域で見られます。イバラタツに似ていますが、赤や茶、黄色や褐色など体色にバリエーションが多いです。また体から伸びる棘は先端で枝分かれしており、とても華やかな体つきをしています。イバラタツと同じように海藻に擬態するための体の特徴であり、なかなか海で出会うことのない貴重な種類です。

ピグミーシーホース(通称)

指先サイズぐらいの小さなタツノオトシゴの仲間の総称。日本の南の暖かい海でも生息していますが、かなり小さいため見つけるのが難しいと言われています。世界中のダイバーから人気があり、水中写真映えすることから、この種類限定のツアーもあるとかないとか。

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