若返る?神出鬼没!世にも奇妙なクラゲの話

若返るクラゲ ととナビ

水族館の水槽で、ほの暗い中にぼんやりと白く浮かび上がるようにふわふわと漂うクラゲの姿は、「神秘的」「幻想的」と形容されることがしばしばあります。現にクラゲは、私たち人よりもはるか昔からこの地球に存在しながら、今もなお新しい発見や多くの謎が残る不可思議な生き物なんです。…とはいえ、物語に出てくるような老いも死にもしない「不老不死」、または、どこにでも現れたり消えたりする「神出鬼没しんしゅつきぼつ」な、まさに幻獣や神獣かのような現象を起こすクラゲがいるといっても、想像がつきませんよね。しかし、実際それに近い信じられない生態をもったクラゲも存在するんです。

今回の記事では、そんな驚きの生態を持ったクラゲの仲間について紹介していきます!

●若返るクラゲ「ベニクラゲ」

生きているものはやがて年を取り、衰えて死んでいく。人に限らず、犬や魚や虫にとっても当たり前のことですよね。しかし、クラゲの仲間の中には、年を取って死ぬ前に赤ちゃんのような状態に戻る「若返り」を行う種類がいるんです。それは「ベニクラゲ」という大きさ1センチほど、体の中心(胃)が名前のごとく赤いことが特徴の小さなクラゲです。今から約30年前に地中海に生息するベニクラゲの仲間から初めて「若返り」現象が発見され、当時は人類の夢ともいえる「若返り」への第一歩であると、世間を大いに賑わせました。その10年後には、日本の和歌山~鹿児島沿岸に生息するベニクラゲの仲間(二ホンベニクラゲ)でも同様の「若返り」を行うことが”かごしま水族館”にて確認されました。

さて、このクラゲの「若返り」現象がどういうものか解説する前に、まずクラゲの一生について紹介しますね。

私たちがクラゲと聞いてイメージする、海中をふわふわと漂う姿は「クラゲ期」と呼ばれ、オスとメスがおり、繁殖して卵を産みます。卵から産まれた幼生(プラヌラ幼生)は石などの基質にくっつき、ポリプと呼ばれる状態になります。この「ポリプ期」には雌雄はなく、自分のクローンを増やす「無性生殖」を行います。そして、このポリプに出来たクラゲ芽がどんどん大きくなっていき、クラゲとなってポリプから離れ浮遊生活を始めます。

point

つまりクラゲの一生は、浮遊生活・有性生殖をする「クラゲ期」と、固着生活・無性生殖をする「ポリプ期」の大きく二つに分かれているのです。

では、ベニクラゲの「若返り」はどう起こるのかという話に戻ります。

普通クラゲ期にも寿命はあり、いずれ体がボロボロになって死んでしまいます。
しかし、ベニクラゲの場合、クラゲ期の寿命を迎える前に体が縮こまり、基質にくっついてポリプの状態に戻ります。そして、ポリプから再びクラゲ芽ができ、成長してクラゲとなるのです。この若返りは一度だけではなく、条件さえ整っていれば何度でも若返れるのではないかと考えられています。現に、日本のベニクラゲ研究第一人者である京都大学の久保田教授の実験で、14回の若返りに成功したという例があります。ただし、この「若返り」も全てのクラゲが絶対に起こすものではなく、環境が悪いとクラゲのまま死んでしまうことも多いです。他にも捕食者に食べられたり、干上がったりしても死んでしまうため、「不死」という訳ではありません。

「若返り」が出来るベニクラゲですが、実際は「若返り」の条件が揃わなければ、数か月の短いクラゲの一生を終えて死んでしまう儚い存在なんですね。

●神出鬼没なクラゲ「マミズクラゲ」

クラゲといえば海にいるイメージしか浮かんでこないと思いますが、この「マミズクラゲ」は名前の通り「真水」、つまり淡水の池や湖などに生息するクラゲなんです!大きさは2~3㎝程度、見た目は透明な傘型の体の縁に短い無数の触手と、何の変哲もない普通のクラゲの姿をしています。淡水にすむこと以外特筆すべきことがないかと思えば、そんなことはありません。なんとこのクラゲ、池などに急に現れては、1~2週間ほどで消えていきます。また、同じ池でも数年おきにしか現れなかったり、今まで出たことがない池や湖、時には雨水の貯まったドラム缶の中に急に現れるなんてこともあります。そしてそれは、全世界中で起こっているという、まさに「神出鬼没」なクラゲなんですね。

マミズクラゲの一生は、基本的には前述したベニクラゲと同様、浮遊生活をする「クラゲ期」と固着生活をする「ポリプ期」からなります。ただし、その他に少し変わった形態が2つあります。

一つ目

ポリプ期に0.5~1ミリの小さなミミズのような幼生(フラスチュール)を作り出し、元のポリプ集団(コロニー)から移動して新たな集団を作ることです。ポリプ期は固着生活という通り、ほとんど動かずにその場で分裂や出芽によって数を増やしていきます。しかし、このマミズクラゲは「動ける分身」を作り出して、移動した先でさらに数を増やすことが出来るんですね。例えば、水たまりの浅い所が干上がって、浅い場所のコロニーが潰れてしまっても、移動した先の深い場所のコロニーが無事であれば全滅は免れるという訳ですね。

二つ目

「被嚢体」と呼ばれる形態で、膜を被った単純な細胞の塊の状態になります。この形態は、他の一切の行動が出来なくなる代わりに、環境の変化に非常に強く、越冬や環境の悪化がトリガーとなり「被嚢体」へと変化します。普通に考えたら水のない場所を移動できないはずのマミズクラゲが、「神出鬼没」に様々な場所に発生するカラクリは、実はこの「被嚢体」にあるんです。多少の乾燥など環境の変化に耐えうる「被嚢体」がくっついた木の枝や葉っぱ、時には水鳥などが別の池に移動することでクラゲも一緒に移動することが出来たという訳なんです。

●まとめ

・ベニクラゲは、クラゲ期からポリプ期に逆行する「若返り」を行う。

・マミズクラゲは、「被嚢体」形態で水生植物や動物にくっついて運ばれることで、世界中の池や湖に「神出鬼没」に現れる。

いかがでしたでしょうか?
ベニクラゲもマミズクラゲも「クラゲ=脆い、弱い」というイメージを覆すような、驚くべき生態をもっていますよね。その生態はただ珍しいだけでなく、ベニクラゲの「若返り」のように、私たちの夢を叶える手掛かりになる可能性も秘めています。「若返り」メカニズムに関する研究はまだ始まったばかりですが、これから先の未来、「若返りの薬」が開発されることも夢でなくなるかもしれませんね!

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