みなさんこんにちは、養蜂家のしおりです。
私は愛知県で養蜂をしています。
今日は「蜜蝋(みつろう)」についてお話ししたいと思います。
蜜蝋(ミツロウ)は、巣房(六角形の小部屋)をつくるためにミツバチが分泌した蝋(ロウ)のことです。働き蜂の腹部にある分泌腺から分泌されます。腹部から出たロウを口と足を使って六角形に整えます。成分は、ロウの成分、アルコール、炭化水素、脂肪酸でできています。栄養面では花粉由来のビタミン、鉄分、カルシウムなどミネラル類が豊富です。
私の持っている蜜蝋は黄色ですよね?
実は、ミツバチが作る蜜蝋は白色ですが、蜜蝋が巣になりプロポリス(グレーのような色)や花粉などの成分が入り鮮やかな黄色に変化していきます。
それでは、蜜蝋がどこに使われているのか、何に使うと良いのか紹介します。
キャンドル
天然のろうなので、ロウソクの原料として使われています。
蜜蝋は古代エジプト時代からキャンドルや通貨を使用され、とても貴重なものでした。またヨーロッパの方では、蜜蝋キャンドルが教会のミサで欠かせないものだったそうです。本当に古くから使用されているのですね!火を付けるとはちみつの甘い香りのするキャンドルはとても癒されます。そして、このキャンドルには黒煙や、煤が出ません。最大のメリットは燃焼が長く溶けにくいのです。今は電気が気軽に通っていますが、昔の人には貴重な光だったのでしょうね!
艶出し
製品の艶出しに使われています。革製品のお手入れや木材用品のメンテナンスに良いとされ、革や木材の天然のものととても相性が良いです。なんと言っても天然素材を使用しているので安心ですね。
クレヨン
みなさんの身近なものでいうと、蜜蝋はクレヨンにも配合されています。普通のクレヨンに比べ、折れにくく、べたつかず、手はもちろんのこと、画用紙に描いた後の作品も汚れにくいそうです。
蜜蝋ラップ
そして今、一番注目されているのは「蜜蝋ラップ」です。私の家でも蜜蝋ラップは大活躍しています。蜜蝋ラップとは、布に蜜蝋や植物性オイル、天然樹脂を染み込ませたラップのことです。手で温めると、みつろうが柔らかくなり、器や食材をぴたっとラップしてくれます。水洗いして再度使えるため、とてもエコなのと野菜や果物などの乾燥を防いでおいしさを保ってくれます。
クリーム
私が1番おすすめしたいのはクリームです。
蜜蝋はとても肌なじみがよく、リップクリーム、フェイスクリーム、ハンドクリームなど、肌や唇をしっとりとやわらかくする効果があり、保湿成分としてもかなり優秀なんです。私は毎日はちみつクリームを使っているおかげで、ファンデーションなしの生活を送っています。
お菓子
フランスではお菓子のカヌレの艶出しにも使用されています。ビタミンやミネラル類も豊富なため、食用にもぴったりです。蜜蝋の融点が60度のため、家庭でも扱いやすいのが特徴です。
さて、私の巣箱でも蜜蝋ができましたので、この蜜蝋を利用できるように精製していきたいと思います。
蜜蝋はミツバチの巣なので、採ってくると蜜蝋の中にはホコリやミツバチの幼虫がたくさんいるので精製しなければなりません。
今日は精製の過程をお見せしたいと思います。
- 1、まずは蜜蝋を水洗いします。
蜜蝋の大きな汚れやはちみつを水で流します。 - 2、蜜蝋を鍋に入れ、熱していき、写真のように溶けたら見える汚れを取り除きます。
- 4、半日寝かします。そうすると綺麗になった蜜蝋が浮かんできます。
- 5、まだ汚れが残っているので、再度温めます濾します。
そして完成です!!
これで綺麗な蜜蝋になりました。
これを使って次回、色々な製品にしていきたいと思います!
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