みなさん、こんにちは。
豊田市で蜂を育て、はちみつを販売しているしおりです。
寒くなってきましたね。冬になると、ミツバチたちは巣の中に閉じこもります。私も寒くなってきたので家にいることが増えた気がします！
蜂蜜と聞くとみなさんはどんなイメージを持ちますか？
やはり「健康に良い」「スーパーフード」「環境に良い」など、私たちの体だけでなく環境にも配慮した食品だと思いますよね？
しかし蜂蜜はウィーガン食品に含まれません。
そもそもヴィーガンというのは、日本語では「完全菜食主義者」と訳されます。 つまり菜食、植物性の食品しか口にしかしない主義を持った人たちのこと、またはその食生活を実践する人のことです。 牛肉をはじめ、豚肉、鶏肉の肉類、魚介類、ひいては卵、牛乳などの動物性の食品を避けた食生活をしています。
そもそも、ミツバチはどうして蜂蜜を作るのでしょうか？それはミツバチが餌として蓄えるためです。蜜はミツバチが飛ぶための燃料となる炭水化物です。花粉は、幼虫が強くて健康な成虫に成長するために必要なタンパク質です。
ヴィーガンを支持している方たちは、ミツバチがミツバチのために作るものであり、人間がハチミツを収穫すると、ミツバチの健康が犠牲になるという考え方があるからです。
上記の考え方を踏まえると「ミツバチから搾取している養蜂家」と「ミツバチを愛し、共存している養蜂家」があると私は思います。ミツバチから搾取している養蜂家、養蜂の裏話をお伝えしたいと思います。
（１）労働力の搾取
蜂蜜はミツバチのエネルギー源であり、蜂蜜がなければミツバチは飢えてしまいます。蜂蜜は天気の悪い日や冬の間、必要な栄養素を蜂蜜から供給します。ミツバチは、花蜜を集めるために、最大で1500の花を訪れます。巣に戻った蜜を吐き出し、蜂蜜の製造を行います。そして１匹の蜂が一生で作る蜂蜜の量はティースプーン１杯だとも言われています。
ミツバチが労働して作った蜂蜜を搾取するのは非道だという意見もあります。
（２）砂糖水の代用
ビジネスライクな養蜂家は、ハチミツを最大限に収穫することを目的としています。ハチミツの収穫量を多くするために、蜂の巣から蜂蜜を取り除き、代わりに砂糖を使います。蜂蜜にはたくさんの酵素や栄養素が含まれているので、砂糖水と蜂蜜では全く効果が違い、ミツバチの健康に悪い影響を与えます。
（３）病気の繁殖
養蜂では、ミツバチは生産性を高めるために特別に飼育されています。このような飼育はミツバチが病気にかかりやすくなります。また、巣箱に使用するために異なる種類のミツバチを輸入することでも病気が発生することもあります。
（４）女王蜂
女王蜂は居心地の悪い巣であれば、巣を飛び出し新しい場所に巣を作ります。養蜂家は女王蜂が飛んでいってしまわないために、羽を切り取ることがあります。
そして女王蜂が食べる「ローヤルゼリー」は今や美容業界でなくてはならないものです。ローヤルゼリーも、ミツバチの女王蜂の分泌腺から採取されることが多いのです。ですのでローヤルゼリーをできるだけ巣から取り出して不自然に増やす養蜂家もいるそうです。
このような背景からヴィーガンの方は蜂蜜を食べないようにしています。
上記のような養蜂をしている業者は確かにあります。しかし、全ての養蜂家が悪質ではありません。「ミツバチを愛し、共存している養蜂家」は存在します。私の周りの養蜂家は蜂を可愛がり、なるべく自然に近い状態で養蜂をしています。そして何よりも一生懸命働いている様子を身近にみているとミツバチがとても可愛く見えてきます。
蜂蜜と人類の関係は、古代エジプト時代よりも古いとされています。3000年以上も共存してきたのです、これからも共存できるはずです！大量生産を目的としていない蜂蜜業者をしっかりと選定すればミツバチから搾取されずに生きているかと思います。
しかし、私は大きな矛盾を感じることもあります。現在ミツバチの数は大きく減ってきています。その主な原因は、殺虫剤や農薬や寄生虫、栄養不足などが原因で何百万匹ものミツバチが死んでいます。
またミツバチは受粉のために畑にミツバチの巣箱を置くことがあります。しかし最近では自然がないことや自然が離れた場所にあることが多いので、健康的な花の蜜を収穫することができずこれもまたミツバチを弱らせてしまうのです。
たくさんの野菜や果物を作るために農薬や殺虫剤を使います。そのことがミツバチを世界から減らしている大きな原因です。「蜂の搾取を許さない」と言っているヴィーガンの方がミツバチを一番減らす原因を作っていることはないのでしょうか？
難しい問題ですが、自然環境を守るためにしっかりと自分にできるエコを見つけていきたいです。
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