こんにちは、お魚の豆知識や雑学をお届けする「ととナビ」です!
地方の魚介加工品シリーズ第4弾は煮干しの歴史や製法、栄養などについてご紹介していきます。
煮干しの歴史と製法
今回のテーマ、煮干しとはカタクチイワシなどの小魚を煮て乾燥させたものです。
独特の魚の風味と香りを生かして、全国の家庭やお店でお味噌汁の出汁などとして使われています。
関東では煮干し、関西ではいりこやじゃこと呼ばれることが多いようです。
イワシは奈良時代以前から食べられていたという記録が残っており、あの紫式部もイワシが大好物だったそうです。
煮干しの発祥の地である、九州や四国の沿岸地域ではクジラやカツオに追われて逃げてきたイワシの群れが豊富でした。
江戸時代、食用以外にも、干鰯(ほしか)という農業用肥料に活用されるほどに大量のイワシが漁獲されました。
また、同じく江戸時代には出汁への関心が高まり、鰹節や昆布は高級品だったため、一般家庭では安価に手に入る煮干しが代用品として普及しました。
それから大阪の商人が煮干しに目をつけ、全国へと売り込んでいきました。現在でも煮干しの主な生産地は長崎県で、全国シェアの25%を占めています。
そんな煮干しの製法はとてもシンプルなものです。
①新鮮な小魚を食塩水などで煮立る
②天日干しや火力で乾燥する
とたったこれだけなんです。
煮干しの原料となるイワシなどの青魚は、不飽和脂肪酸が多く酸化しやすい特徴があるので、余分な脂肪分を落とすために、ただ素干しにするのではなく、煮るという過程が必要なのです。
大きな魚が原料として使われないのも、脂が多くのっており、酸化しやすいためです。
煮干しの栄養
次に煮干しの栄養について、紹介していきます。
煮干しには、糖質は100gあたり0.3gとほとんど含まれず、脂質も100gあたり6.2gと比較的少ないのです。
その一方で、タンパク質が多く含まれることから筋トレやダイエット中の人には打ってつけの食材なのです。
さらに、お魚といえば、言わずと知れたカルシウムも豊富ですし、特に女性に不足しがちな鉄や亜鉛といった栄養素も多く含まれます。
ただ、注意したいのが、これらの豊富な栄養素は出汁にはあまり含まれないということです。出汁はうま味成分が多く含まれますが、出汁をとったあとの煮干しにほとんどの栄養が残されたままになっています。
そのため、出し殻や出汁をとる際に取り除いた頭や腹わたは捨てずに、ふりかけにしたり、佃煮にしたりと料理に利用したほうが無駄なく栄養と摂取することができるでしょう。
ぜひ、ご家庭でも煮干しを使ったお料理を楽しんでみてくださいね。
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