「125年ぶりにマンボウの新種発見!?マンボウの仲間について解説します!」

マンボウ とと

マンボウといえば、魚の頭だけ切り取ったような独特な形をしているため、写真やイラストを見ればだれでも「マンボウだ!」と分かりますよね。

そんな有名なマンボウですが、マンボウがどんな魚で何種類いるのかなど、意外に知らないことが沢山あると思います。

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しかも、最近になって「マンボウ」と呼ばれていた種類が実は2種類いることが判明したり、125年ぶりにマンボウの新種が見つかったりと、続々と新発見がなされました。

この記事では、マンボウは一体どんな生き物なのか、マンボウについての基礎知識と、続々と見つかったマンボウの仲間たちについて解説します!

マンボウの仲間と基礎知識

マンボウは何の仲間?

マンボウは、フグ目マンボウ科の仲間に属しています。

…という訳で、実はフグの仲間なんですね。

私たちが想像するフグというと、高級食材でもお馴染みのトラフグや、トゲトゲのハリセンボンなど、丸っこい体型をしていてプクーッと膨らむ魚を想像すると思います。

マンボウは平たい体型でお腹を膨らませたりも出来ませんが、

①腹部の骨(肋骨)がない、②おちょぼ口、③腹ビレがない、④鰓穴が小さい、などのフグの仲間である条件を満たしているので、歴としたフグの仲間と言えるんですね。

さて、そんなcheckマンボウの仲間は、現在世界で5種類見つかっています。

クサビフグ属

・クサビフグ 

ヤリマンボウ属

・ヤリマンボウ

マンボウ属

・マンボウ

・ウシマンボウ

・カクレマンボウ

上でさらりと5種類のマンボウの紹介をしましたが、実はついこの間までは4種であったり、名前が変わったりと最近になって続々と新発見がなされているのです。

「こんな大きくて特徴的で有名な魚なのに、今更新種が見つかるなんてことがあるのか?」と疑問に思うかもしれませんが、巨大で神出鬼没なマンボウは研究するにも大変なため、結果が出るまで時間がかかってしまったなんて背景があるんですね。

続々見つかるマンボウの新種?

マンボウはインパクトのある見た目から、世界中で「変な魚が見つかったぞ!」とばかりに続々と新種登録され、一時は30種を超える仲間がいるとされていました。

そんな中1951年に今までの新種報告を再検討したところ、実は「マンボウ」と「ゴウシュウマンボウ」の2種だけではないかということが分かりました。

ただし、「ゴウシュウマンボウ」に関しては情報が少なく、見つかるものはほとんど「マンボウ」1種とされていました。

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それから半世紀ほど経ち、2009年にDNA解析によりマンボウ属には3つの遺伝的集団に分かれる、つまり、「マンボウ」、「ゴウシュウマンボウ」、そしてその2種に隠れて別種だと気付かれなかった未確認種の3種いると分かったのです。

この未確認種については、後の項で詳しく解説しますね。

さて、日本ではどうかというと、沿岸には長年「マンボウ」1種のみいるとされていました。

しかし、こちらもDNA解析により「マンボウ」「ウシマンボウ(ゴウシュウマンボウ)」の2種いることが分かったのです(「ゴウシュウマンボウ」は仮の呼び名だったため、2010年に改めて「ウシマンボウ」という和名を正式につけられました)。

なぜ、今まで1種しかいないと思われていたのかというと、checkマンボウとウシマンボウは1.8m以上にならないと外見の違いがほとんど現れないこと、ウシマンボウはそもそも捕れる数が少なくデータが少ないなどの理由があるからなんです。

ただ、誰よりも海や魚に接している漁師さんの間では、何か違う形のマンボウがいるということは分かっていたようで、「ウシマンボウ」という名前も漁師さんが2種を識別するために使っていた地方名が採用されたとのこと。

このように、長年の経験や勘に新発見が潜んでいるということもよくあることなんですよ。

125年ぶりの新種「カクレマンボウ」とは?

さて、「マンボウ」でも「ウシマンボウ」でもないもう1種の未確認種はというと、2017年にようやく新種だと証明する論文が発表されます。

checkマンボウ科の仲間では、「ヤリマンボウ」が新種として発表されてから約125年ぶりの新種となります。

この新種のマンボウには、 “有名にも関わらず今まで他のマンボウの陰に紛れて中々見つからなかった”という意を込めて、英名で「hoodwinker(騙す) sunfish」、和名で「カクレマンボウ」という名前が付けられました。本人(本魚?)としては全く隠れているつもりも騙しているつもりもないのでしょうけどね。

そんなこんなでようやく脚光を浴びたカクレマンボウですが、よくよく調べてみると他のマンボウ属の2種と比べ、体の厚みが薄い、鼻先にコブのようなでっぱりがない、舵ビレ縁辺の中心に凹みがあるなど明らかな違いが見られました。

また生息域も南半球に偏ってはいるものの、数が少ないわけでもなさそうです。

まだ認識されたばかりで分からないことだらけのカクレマンボウですが、今後研究が進めば図鑑に載ったり、水族館で見れるようになったりと私たちの目に触れる機会も増えるかもしれませんね。

まとめ

・マンボウはフグの仲間で、世界に5種類いる。

・近年2種とされていたマンボウ属が、実は3種いることが分かった。

・125年ぶりにマンボウの新種「カクレマンボウ」の存在が明らかとなった。

誰でも知っているマンボウに、こんなに知られていなかったことがあるなんて驚きですよね。

さらに、いまもマンボウの研究はまだ道の途中と言わんばかりに、新たな生態や特徴が続々と発表されています。

未だ謎多きマンボウの世界、解明されるのが楽しみですね!

参考

「マンボウのひみつ」著:澤井悦郎

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