ベトナム・ハノイのとと(魚)のいめし

管理栄養士日記

南北に長いベトナムは、南に常夏のホーチミン、中央にビーチリゾート地のダナン、そして北に首都・ハノイがあります。日本から飛行機で5時間半、時差2時間の場所にあるハノイは、ベトナム経済の中心地。フランスと中国の影響を受けながら、ベトナム独自の文化が育まれてきた土地です。日本同様、四季がはっきりしているのもハノイならでは。旬の食材を使ったおいしい料理が味わえる土地です。

ベトナム料理の要〝ハーブ〟

ベトナム料理で特徴的なのが、なんといってもハーブ使いです。市場に行くと、見たこともないようなスパイスやハーブが山積みになっています。

市場のハーブ

たとえば、日本でもおなじみのしそは葉の裏側が赤色です。バジルは、一般的なスイートバジルよりも香りが控えめ。そのほか、おなじみのミントやディル、パクチー(コリアンダー)も市場やレストランでよく見かけました。

いずれもビタミンやミネラル、食物繊維、抗酸化物質を多く含むものです。ベトナム料理に不足しがちな栄養素を補う大事な役目があります。また、香りが巡りをよくして、消化を促してくれるでしょう。

初めて口にするハーブも多かった中で、驚いたのはドクダミを料理に使うということ。香りが強く、独特なドクダミは、日本では健康茶としていただく程度。お茶の香りですらムリ!という人も多いはずです。

バインセオとドクダミの葉

ドクダミは強い解毒作用を持つ植物で、食あたりなどにも効果的です。我が家では、梅雨の終わり頃からデトックスのためにドクダミ茶を取り入れていますが、そんな私でさえ、料理にドクダミを入れるのは、少しためらいました。

ところがベトナム料理に合わせていただくと、ドクダミの香りが料理の美味しさを引き出すから不思議です。

〝ヴィンフック市場〟で、とと(魚)を発見!

写真はヴィンフック市場で魚が売られている様子です。ベトナムの東側は海に面していますが、人々にとって身近なのは海よりも川の魚です。ハノイの「ハ」は川、「ノイ」は内側という意味。ハノイの鮮魚は、淡水魚が主なのです。市場やレストランでは、ナマズの仲間をよく見かけました。臭いが強い魚介類が多いことも、ハノイがハーブやスパイス使いが発展した背景だと、現地で教えてもらいました。

ヴィンフック市場

貝類も多く、、、、、タニシも好まれていました。塩ゆでして、ビールと飲むのだそうですよ。少し臭いがあるので、レモングラスと組み合わせて炒めることもあるのだとか。

エビやカニもよく食べられました。カニといっても、メジャーなのは田ガニが(ワタリガニよりももっと小さめで、サワガニのようなサイズのもの)一般的で、これを殻ごとすりつぶしている姿も、市場で見かけました。ブン(米粉の麺)のスープに使うのだそうです。これについては来月号詳しく記事にしますね。

ハノイのとと(魚)のいめし〝チャーカー(Cha Ca)〟

そんなハノイの魚(とと)を使った料理が、チャーカー。スパイスが香る白身魚とたっぷりのディルとねぎを揚げ焼き(炒め料理)にした料理です。

チャーカータンロン

写真は、チャーカーで有名なレストランです。この時、旅行の疲れと蒸し暑さで、あまり食欲のなかった私でしたが、食卓いっぱいに広がるスパイスとハーブの香りに食欲が掻き立てられ、思わず箸が進みました。

それぞれのテーブルには写真のような専用鍋があります。店員さんがターメリックなどのスパイスに漬け込んだ白身魚と、ハーブを加えて多めの油で炒めてくれます。これを細めの米麺(ブン)と一緒に食べます。

ディルという名前には「赤ちゃんをなだめて寝かしつける」の意味があると言われています。心を落ち着けて、リラックスさせる優しい香りに癒されます。気の巡りをよくする香りには副交感神経を活性化し、消化を促す効果もあります。消化のいい白身魚の良質なタンパク質とともに、お疲れ気味な身体を労ってくれる料理でしょう。

ハノイに行かれた際にはぜひ召し上がっていただきたい料理の一つです。

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