冬、ミツバチはどこへ行く?

冬ミツバチ ととじゃないけど

みなさん、こんにちは。

豊田市で蜂を育て、はちみつを販売しているしおりです。

冬になると私はレモネードもしくは、ハニージンジャーティーを作ってあっったまるようにしています。養蜂家にとって蜂蜜はなくてはならないものですね!

今回は「ミツバチ」の冬の過ごし方についてお話しします。

冬にミツバチを見たことがありますか?温暖な気候の地域でも、ほとんどの人が見たことがないかと思います。毛布も、火もエアコンもないので、ミツバチは冬に暖かく生きるために仲間と団結して過ごさないといけません

ほとんどのハチやスズメバチは冬になると冬眠してしまいます。

ハチの種類によっては、女王蜂だけが生き残り、春になると保護された場所から再び現れて、夏に向けて新しい集団を作ります。

しかしミツバチは冬の間、氷点下の気温や餌となる花がないにもかかわらず、活動を続けます。冬になって気温が10℃以下になると、ミツバチは巣に戻って冬ごもりをします。「冬眠するのですか?」と聞かれることがありますが、冬の間もミツバチ達は眠っておらず一生懸命働いています。冬のミツバチは巣の中で一生を過ごし、女王蜂の世話をし、温度調節を助け、春に受け継ぐ子供を育てます

冬を越えるための食料の大切さ

蜂の巣が生き延びられる集団は、どれだけ十分に寒さに備えたかにかかっています。
ミツバチの群れが生き延び、暖を取るためには、蜂蜜の貯蔵が大切になります。

生き残るためには食べ物が必要です。ミツバチが蜂蜜を使い果たしてしまうと、春になる前に凍死してしまう可能性があります。これが、暖かい季節にミツバチが蜜を集め、大量の蜂蜜を蓄えるために懸命に働く理由です。

夏から秋へ、蜜やその他の糖分がなくなると、ミツバチは冬に向けての準備を始めます。気温が下がり始めると、ミツバチたちは巣箱に集まり始めます。

一方、女王蜂は秋から冬にかけて、食料が限られているため産卵をやめます。働き蜂は冬を越すための必要な食料の約2~3倍を巣に溜め込みます。養蜂家はこの余剰分を収穫し、ミツバチが冬を越せるような量は残しています。

冬のミツバチと夏のミツバチ

冬のミツバチは、少し夏に活動するミツバチと異なり熱を逃がさないように少し太っていたり、冬の間ずっと持ちこたえられるように寿命が長くなっていたりもします。

通常夏のミツバチの寿命は数週間です。しかし、冬のミツバチは数ヶ月生きることもあります。なぜこのように変形したミツバチが生まれてくるかというと冬のミツバチは食料が少ない状態で生まれてきます。タンパク質が不足した食事を与えられた幼虫は夏のミツバチとは違った形になるのです。

蜂の巣は32度に保たれる?!

ミツバチは通常、働き蜂雄蜂女王蜂の3つの種類に分かれています。しかし、冬になると雄蜂は死んでしまい、メスの働き蜂と女王蜂だけが残ります。女王を中心にして、働き蜂が体を振動させますこの振動がミツバチの体温を上昇させるのです。何千匹ものミツバチがこのように振動することで、生存可能な温度を維持できます。中心部では、気温が32〜37℃に達することもあります。そして外側のミツバチと内側のミツバチが入れ替わることで、温度を保ちます。

また温度が下がると、ミツバチの集団はミツバチ同士の間隔が小さくなり、さらに暖かくなります。逆に温度が上がるとミツバチの集団は大きく間隔をとるようになり温度を下げます。このように冬の間もしっかりと働き蜂は働いています。

養蜂家の仕事

冬をミツバチが越すためには大きな問題がたくさんあります。

蜂の巣の集団が強いか弱いか、保存食の量と質、ダニ、冬の天候などに大きく関係しています。多くの養蜂家は、状況をみて蜂に餌を与えたり、寒さを軽減するために断熱シートを巻いたり色々な工夫をします。

弱ったミツバチやウイルスに感染したミツバチがいたらもちろん冬は越せません。養蜂家はしっかりと夏から蜂の巣を管理し、ダニ対策をしなければなりません。養蜂家の仕事は、ただ美味しい蜂蜜を取ることだけでなく、きちんと巣を管理し、強いミツバチを作り、居心地の良い蜂の巣を作ってあげるとこですね。

養蜂家にもさまざまなタイプがいて、冬には仕事をしたくないので、毎年毎年春に蜂を買って、養蜂の季節が終わったら自然に放してしまうやり方と、蜂のお世話を冬も続けて蜂の巣を育てていくタイプの2種類のやり方があります。初めのうちはなかなか冬を越えるのが難しかったです。

例えば、ダニが発生してしまったこともありましたし、ミツバチの体力がなく寒すぎて死んでしまったこともありました、そして病気になり死んでしまったミツバチの巣もありました。色々なことを経験して最近は冬を越せるミツバチの巣を作ることができるようになったと思います。

養蜂は自然との戦いですので、本当に何があるか分かりません。だからこそ楽しみや嬉しさ、悲しさもある仕事だと思います。

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