サバ科マグロ属魚類の特徴
「眼が黒い」「肉が赤黒い」「背が赤黒い」など、マグロの語源については色々な説があります。
さて、サバ科マグロ属魚類には、
・大西洋クロマグロ
・太平洋クロマグロ
・メバチマグロ
・ミナミマグロ
・キハダマグロ
・コシナガマグロ
・ビンナガマグロ
・クロヒレマグロ
の8種類があります。
ちなみに、以前まで大西洋マグロと太平洋クロマグロは区別されていませんでした。
また、クロヒレマグロとコシナガマグロは流通していません。
漁獲方法のメインは、はえ縄、巻き網、定置網、引き縄などです。
サバ科マグロ属魚類は泳ぐスピードが非常に速く、個体によっては時速100キロを超えるものもいます。それもあってかサバ科マグロ属魚類の身体のフォルムは紡錘型です。
また、溝に複数のヒレをしまい込み、水の抵抗を下げることができます。
特に腹ビレ、胸ビレ、第一背ビレなどを確認すると分かりやすいです。
そして体内にも泳ぐスピードが速くなる理由があります。
例えば、色々な酵素を活性化させるためには体温を高くキープしなければなりません。
そのためサバ科マグロ属魚類は、静脈血の温度を活用して、温度の低い動脈血を温めることができます。これは他の魚類にはできないことです。
太平洋クロマグロの特徴
北太平洋の温帯域などに分布しています。
産卵期は日本海南部で7~8月頃、日本南方~フィリピン沖で4~7月頃となっています。
太平洋を渡ってアメリカ西海岸沖まで移動するものもいます。
こういった太平洋クロマグロが、メキシコやアメリカで漁獲されています。
太平洋クロマグロのエサはイカ類、甲殻類、魚類など。
1年で50~60センチ、2年で80~90センチにまで成長し、5年で150センチ・60キロ程度にまで大きくなります。
特別大きいものであれば300センチ・500キロほどになります。
ちなみに幼魚には「メジ」という別名もあります。
日本では定置網、竿釣、引き縄、はえ縄、巻き網などで漁獲を行っています。
ただ、全体の3分の2ほどは巻き網です。
主に北海道、三重県、青森県、高知県、宮城県、鳥取県などで水揚げされています。
特に壱岐(長崎)、見島(山口)、摂津(宮崎)、那智勝浦(和歌山)、松前・戸井(北海道)、三厩・大間(青森)などは、太平洋クロマグロの産地として知名度が高いです。
メキシコや日本では養殖もしています。
太平洋クロマグロの美味しい食べ方
旬は冬です。
やはり寿司や刺身で食べるのが人気です。
一般的に「マグロ」と呼ばれるものの中では、この太平洋クロマグロが一番メジャーであり、高値で流通しています。
他のマグロ類についても調理方法・活用方法が大きく変わるわけではありません。
大西洋クロマグロの特徴(300センチ・700キロ)
北大西洋の温帯域などに生息しています。
養殖は地中海沿岸諸国をメインに行われています。
そして、鮮魚や冷凍の状態で入荷されています。
マグロ属魚類の中では太平洋クロマグロが最も高級ですが、二番目は大西洋クロマグロです。
やはり寿司や刺身で食べるのが人気です。
また、主にヨーロッパでは、塩漬けにした背肉やカラスミも食されています。
ミナミマグロの特徴(220センチ・160キロ)
太平洋クロマグロ・大西洋クロマグロに見た目が似ています。
南半球の温帯域に生息する大型魚類であり、主に冷凍状態で入荷されています。
養殖がオーストラリア南部で行われており、冷凍や鮮魚で輸入されています。
これも寿司や刺身として食されています。
メバチマグロの特徴(200センチ・200キロ)
世界中の温暖域に生息しています。
眼が大きいです。
市場価値としては「太平洋クロマグロ>大西洋クロマグロ>ミナミマグロ>メバチマグロ」です。
缶詰としても利用されています。
キハダマグロの特徴(210センチ・175キロ)
世界中の温暖域に生息しています。
ヒレや身体がやや黄色っぽいマグロです。
成長するにつれて尻ビレと第二背びれが伸びて、色も金色になっていきます。
春から夏が旬。
刺身や寿司として食べるのが人気ですが、缶詰としても利用されています。
ビンナガマグロの特徴(140センチ・40キロ)
マグロの中では小型であり、胸ビレが長いです。
世界中の温暖域に生息しています。
以前は缶詰として利用されることがほとんどでしたが、だんだんと刺身としても食されるようになってきました。これには回転寿司の普及も影響していると言われています。
養殖マグロついて
太平洋クロマグロの養殖はメキシコや日本、大西洋クロマグロは地中海沿岸の国々、ミナミマグロはオーストラリアで養殖されています。
いずれも成魚・幼魚を漁獲して、エサによって大きくしていきます。
ちなみに近畿大学において完全養殖(人工孵化から成長したクロマグロの親が生んだ卵を、再度養殖する)に成功しています。
コメント