こんにちは、お魚の豆知識や雑学をお届けする「ととナビ」です!
第2回目は、以前の続きである「鮭」の魅力についてさらに深掘りしていきます。
具体的には、「海水と淡水どちらも生きられる不思議!」、「鮭って白身?赤身?」という内容を解説していきます。
海水と淡水どちらも生きられる不思議!
鮭は生まれた時は川の中で生活していますが、大人になるにつれて海へ旅立っていきます。
この海水/淡水どちらでも生きていられるという能力は、うなぎやあゆ、鮭などの限られた「とと」でしかみられない特殊能力なのです!
普通、淡水魚を海に放すと、しばらくすると体中の水分が抜けていき、干からびて死んでしまいます。
逆に海水魚を川や湖に放すと、体が膨れ上がり、こちらも生きていくことができません。
この現象はとと、淡水、海水の「塩分濃度」というものが大きく関連しています。
魚や人間など生物体内の塩分濃度は0.9%の一定になっており、そこから大きく外れると体の機能がうまく働かず死んでしまいます。
しかし淡水中では塩分がほとんどなく、海水中では3.5%と高濃度であり、どちらも生物の望ましい塩濃度ではありません。
そのため、淡水魚は「淡水中の塩分を集めてくる機能」を、逆に海水魚は「海水中の塩分を排出し水分を集める機能」を持っています。
淡水魚は体表やエラや腸で僅かな塩分を体内に吸収し、不要な水分を多量の尿として排出し、できるだけ塩分を体に取り入れようとします。
一方で海水魚は大量の海水を飲み、同時にエラで塩分を排出していきます。その後、腸の中でできるだけ水分のみを体に取り入れようとします。
このように淡水魚と海水魚では互いに全く逆の作用をして塩分を調節しています。
冒頭に戻りますが、淡水魚を海水に放すと干からびてしまうのは、海水中の濃い塩分をどんどんと吸収してしまいそれを薄めるために細胞の水分がどんどんと奪われていくからであり、
そして海水魚を淡水に放すと膨らんでいってしまうのは、淡水中の水分をどんどんと吸収して行ってしまうからなのですね!
鮭やうなぎなど淡水や海水でも生きられる魚は、成長の過程で体の中の塩分調節機能が変化し、新しい環境に適応できるようになります!
鮭であれば、独特の模様がなくなり、体表が銀色になる「スモルト化」という現象が見られます。
銀色になった鮭は海水で生きる準備ができたという証なのですね!
逆に産卵のために川へ戻る時は、銀色がなくなり独特の模様が付くようになります。
子孫繁栄のためにこんなにも体を変化させる鮭ってすごいと思いませんか!?
鮭って白身?赤身?
魚の身は大きく分けて赤身と白身に分けられます。
赤身は遅筋と呼ばれる持久力が高い筋肉で構成されており、ミオグロビンと呼ばれる赤色の成分が豊富にあるのが特徴です。
これはマグロやカツオなど長期間動き回っている魚になります。一方で白身は速筋と呼ばれる瞬発的な動きをする筋肉で構成されており、ヒラメやマダイなどの魚を指します。
ここで問題です。サーモンは赤身か白身どちらでしょうか?・・・・
ちょっと赤っぽいから赤身?白い筋があるから白身?
実は鮭は白身魚なのです!
赤っぽく見えるのは餌で食べているエビや蟹にあるアスタキサンチンという物質が身に蓄積していることでほんのり赤く見えるのですね。
このアスタキサンチンという成分は強い抗酸化作用を持っており、産卵のための最後の川上りを果たす際、大量に発生する活性酸素を除去するためになくてはならない成分なのです。
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