〈セブ島に留学や出張される方へ〉ローカルめしで、とと(魚)のう方法を教えます!管理栄養士監修

管理栄養士日記

ウェルネスコンサルタントの石松 佑梨(いしまつ ゆり)です。
これまで世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士に従事してきました。

突然ですが、1ヶ月間、セブ島へ語学留学に行きました。
どうしてセブなのか?40代でも大丈夫なのか?など気になる方は、コチラの記事をご覧ください。

海外滞在中の限られた期間に、体調不良で本来の目的を果たせない状況……
たとえば、勉強や仕事、遊びなどに集中できない状況だけは避けたいものです。
本記事では、わたしがアスリートサポートの中で培ってきた海外でのコンディショニング方法について解説します。
現地で起きやすい不調を解決してくれるローカルめしを紹介します。
セブ島留学だけでなく、出張や観光で訪れる方にも必見の内容です!

フィリピン料理の問題は、この〈ローカルめし〉で解決できる!

フィリピン料理の問題は、塩分・糖分が多く脂質の質が悪いこと。
日本人にとっては、普段から食べ慣れている野菜乳製品が不足するため、その代替も必要でしょう。

おいしくかしこくローカルめしを選ぶことで、これらの問題は解決できます。

塩分をとりすぎてしまう

フィリピン料理は、とにかく味が濃い!

フィリピンの主食もお米ですので、必然的に濃いめの味付けになります。日本人にもなじみのある醤油と砂糖、塩などの味付けですが、問題は量! お米なしで食べることはできないほどにしょっぱいです。

同じ料理でもお店によっては薄味なこともありますので、そういうお店を見つことができればラッキー。
ただし、そうでなければ濃い味を薄い味に変えることはできませんので、
塩分を体外に押し出してくれるカリウムを積極的に摂ることを心がけましょう。

解決・ローカルめしバナナ
カリウムは生食が適します。
食べる直前に自分で皮を剥いて食べることができるバナナなら、衛生面の心配もいりません。

バナナ:カリウム豊富なバナナで、体内の余分な塩分を排出。むくみ解消に!
写真は調理用のサババナナ。緑色のサババナナは調理に使うものですが、黄色のサババナナはそのまま食べることができます。

野菜不足

驚くほど、ィリピン人は野菜を食べない!

では、野菜不足を〈野菜以外の食べ物〉で解決してみましょう。
野菜不足によって不足する栄養素は、主としてビタミンC、カリウム、食物繊維です。

まずは、ビタミンC。ビタミンCはサプリメントでの摂取を推奨します(→詳しくはコチラで)。
サプリがない場合は、ビタミンC豊富なカラマンシーがおすすめです。

カラマンシーとはシークワーサーのような小さな柑橘。
フィリピンではありとあらゆる料理にカラマンシーの果汁をしぼって食べます。
塩味の強いフィリピン料理に、酸味と香りがプラスされ、料理がぐんとおいしくなるのです。
食卓にカラマンシーが出てこない時でも、お店の方に頼めば、たいていに持ってきてくれますので、
留学生でも手軽にビタミンCチャージできます。

そのほか、果物でビタミンCを摂るなら、マンゴーやパパイヤなどの南国フルーツ。
続いてカリウムを摂りたいなら、バナナやスイカ、メロンなどの果物。
最後に食物繊維は、バナナやマンゴー、パイナップルなどでチャージできます。

解決・ローカルめし: カラマンシー
野菜不足を補う食べ物でも、やはりバナナが強い!
バナナでは補いにくいビタミンCは、カラマンシーでチャージしましょう。

カラマンシー:ビタミンCたっぷりのカラマンシー。フィリピンでは風邪予防に用いられるそう。
あらゆるフィリピン料理にカラマンシー果汁をしぼって食べます。

油物が多い

原則、時間の経った揚げ物は食べない!

もともとフィリピン料理に、揚げ物が多いのは食品の保存性を高めるための工夫でした。
ところが現代では、時間の経った揚げ物の〈酸化した油〉こそが、身体にとっては毒。

揚げ油の使い回し(=揚げ油がそもそも酸化している)問題については、
信頼できるお店で食べましょう……ということしかできません。しかし、
とにかく時間の経った揚げ物を食べないことは、誰でもできる簡単な対策です。

一方で、個人的にはレチョン(豚肉の丸焼き)などの素材本来のもつ脂質は気にしません。
貴重なタンパク質や鉄分補給源でもありますので、おいしく、ありがたくいただきたいですね。

解決・ローカルめし: 海藻サラダ
海藻の養殖が盛んなフィリピンでは、海藻サラダもよく売られています。海藻に豊富な水溶性食物繊維は、体内で水に溶けてゲル状になると脂質を包み込んで、そのまま体外に排出してくれます。
抗酸化ビタミンたっぷりのカラマンシーで、コレステロールの酸化も防ぎたいところです。

海藻サラダ:右が海ブドウで、左がグソという海藻です。ビタミンC豊富なカラマンシーをしぼります。脂質の酸化予防にも◎

糖質のとりすぎ

お米の量が多く、お菓子は甘すぎる!

運動不足になりやすい環境と糖質のとりすぎが体重を増加させがちな留学生活。血糖値の急上昇が、集中力を失わせ、イライラや眠気をもたらす原因にもなります。また長く続けると老化を大きく進行させるでしょう。

前述の通り、フィリピンの主食もお米ですが、量が多い。もちろん適量だけ食べて、残すこともできますが、おかずの味がとても濃いので、お米なしに食べることが難しいのです。その上、玄米や雑穀ではなく、精白米ですので、糖質の燃焼に不可欠のビタミンB1も不足しっぱなしでしょう。さらに、お菓子もジュースもアイスも…… とにかく甘い! ビタミンB1の必要量は増える一方です。

ビタミンB1については、サプリメントでサッと解決してしまうのがおすすめです。その際、ビタミンB1単体ではなく、ビタミンB群サプリで効率的に摂りましょう。

サプリメントがない方におすすめしたいのは、ビタミンB1豊富な豚肉料理。
レチョンやシシグ、シニガンなど… 豚肉を使ったフィリピン料理は多いので、
比較的、簡単に取り入れやすいと思います。

解決・ローカルめし: レチョン

フィリピンのローカル飯といえば、なんといっても豚の丸焼き・レチョン。
中でも大人気のお店が、セブシティにあるハウスオブレチョンです。予約必須!

乳製品不足

乳製品が高い!ヨーグルトが甘すぎる!

牛乳はロングライフ(常温の長期保存タイプ)が主。
そして、ヨーグルトはとてつもなく高く、しかも甘いです。
普段から牛乳を飲んでいる方であれば、カルシウムとたんぱく質の不足が気になるはず!
乳製品の代替品におすすめしたいのが、骨ごと食べられる魚です。
フィリピンは干し魚がとにかく多く、これらは出汁用ではなく、揚げたり炒めたりして料理に用いられます。

メジャーなのがラプラプの南蛮漬け的な料理です。
日本だと骨ごと魚を食べるわたしですが、現地で食べた南蛮漬けは骨が硬すぎて口に刺さりそうで、
身だけしか食べられませんでしたが…… 後から聞くと、フィリピン人は骨ごと食べるのだそうです。
お店によって違うのでしょうか? 骨ごと食べられる魚は、フィリピンでの貴重なカルシウム源になりますね!

解決・ローカルめし: 骨ごと食べる魚の南蛮漬け

スーパーマーケットのドライシーフードのコーナーがすごい広いです。
日本では主として出汁に使うものもフィリピンでは主菜として用いられます。

プロフィール

GLOCAL EATs 
ウェルネスコンサルタント 石松 佑梨(いしまつ ゆり)
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートの専属管理栄養士として食トレを提供する。次代を担うジュニアアスリートの食育にも力を入れる。近年では雑誌や商品、レストランなどの栄養監修に携わる一方で、絵本作家としての活動に注力している。

著書:過去最強のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー(かんき出版)
インスタグラム:personal_curry
ホームページ:https://glocaleats.recipee.net

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