かつての大衆魚はいまや高級魚?サンマのお話

七輪で焼いたサンマ とと

落語の題材に取り上げられるほど身近な大衆魚として、長年日本の食生活に深く関わってきたサンマ

近年の不漁の影響で年々価格が高騰していくニュースを良く見ますが、旬の秋には一度は食べたい魚ですよね。

今回はそんなサンマについてご紹介します。

生態

サンマは日本からアラスカ、メキシコの海域を含む北太平洋の広い範囲に生息しています。

広い範囲を回遊する魚ですが、詳しい回遊の経路などは未だにわからない部分も多いです。

日本近海では、日本海・太平洋のどちらにも生息し、北海道から九州までで水揚げされます。

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太平洋のサンマは主に秋から春に、日本海のサンマは夏に産卵期があることからもわかるように、年間を通じて常にどこかで産卵していることが特徴です。

近年サンマは不漁が著しく、2019年の全国のサンマ水揚げ量は、40,517トンで、2000年に比べて約80%も減少しています。

サンマの主な産地は北海道、宮城、岩手、富山などです。

栄養

サンマは青魚の代表的な一種です。

DHAやEPAに代表される良質な不飽和脂肪酸が含まれています。

「食べると頭がよくなる」と言われるDHAは、脳の中に直接入ることができる数少ない物質で、脳細胞の「シナプス」と呼ばれるつなぎ目の流れをスムーズにする働きがあります。

EPAは血管の中に入り込み血液の流れを良くする働きがあり、check脳梗塞な心筋梗塞のリスクを下げることに役立つと言われています。

また、サンマには代謝に欠かせないビタミンB群やカルシウムの吸収を促すビタミンDなども豊富に含まれています。

サンマの旬は地域によって変わりますが、一般的にサンマが一番美味しいとされているのは

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根室から襟裳岬沖あたりに南下し始める9月ー11月が一番脂がのった美味しい時期とされています。

おいしいサンマの見分け方

店頭でおいしいサンマを見分けるポイントがいくつかあります。

①口の先端が黄色

サンマは海で泳いでいる時は口の先が黄色く、水揚げ後時間と共に黄色の色素が抜けていきます。なので、口の先が黄色いサンマは新鮮な証拠なのです。)

②目が濁っておらず、澄んでいる

新鮮なサンマは目に艶があり、ぬめりが失われていません。水揚げ後時間が経つと、このぬめりが徐々に白く濁っていきます。

③丸々と太っている

丸々と太っているサンマは海でたくさんエサを食べている証拠。check丸々と太っているサンマほど、体に脂肪を多くため込んで旨味が多いです。

食べ方

①塩焼き

多くの人がサンマの食べ方と聞いて想像するのが塩焼きではないでしょうか。

脂ののったサンマの塩焼きはジューシーで、ご飯のおかずに最高ですね。サンマは「わた(内臓)」も美味しく食べられる魚。

苦味の中にコクと旨味が詰まっているわたは、通好みの味ですね。

②干物

さんまの干物は全国で昔から作られています。塩焼きとはまた違った味わいを楽しむことができます。

内臓をとって開きにしたもの、内臓ごと丸干しにしたものなど、調理法は地域によってまちまちです。

③寿司

三重県の志摩半島から和歌山県までの紀伊半島南部では、開きにしたサンマを軽く塩で漬け、酢飯に乗せる押し寿司「さんま寿司」という郷土料理があります。

肉厚のさんまと酢飯が良くあい、地域の人はお祝い事やお祭りの時に良く作って食べるおめでたいレシピです。

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