青色の背の魚
「イワシ」と聞くとマイワシ(ニシン科)を連想する方が多いでしょう。
ですが、実際にはウルメイワシ(ニシン科)、カタクチイワシ(カタクチイワシ科)、さらには主に加工品として親しまれているサーディン(ニシン科)などもイワシに分類されます。
一般的に「イワシ」と呼ばれている魚は意外にたくさんあると言えるはずです。
江戸時代には、これらのイワシは肥料としても重宝されていました。
豆知識おせち料理でよく目にする「田作り」はここから来ています(田んぼを作る肥料、という意味合い)。
ちなみに田作りでは基本的にカタクチイワシが使われます。
そんなイワシは現在では、「DHAやEPAを豊富に摂取できる健康的な青魚」としても人気になっています。
マイワシ
マイワシの体側には7つ程度の黒い点が1列に並んでいます。このことから「ななつぼし」と呼ばれることがあります。
ただ、10個を超える黒い点が並んでいたり、2列や3列になっていたりするマイワシもいます。
そんなマイワシは、日本近海をメインに、日本海、太平洋の北西、オホーツク海、東シナ海、黄海など幅広く存在しています。大規模な魚群を構築し、季節的に回遊します。
- 春~夏頃:北上(エサを食べにいく)
- 秋~冬頃:水温が下がるとともに南へ(越冬)
- 12~6月頃に九州、四国、本州の沿岸あたりで産卵します。
産卵のピークは
日本海:3~6月頃
太平洋:2~3月頃
です。
寿命は7年を超えるほどであり、1年で15センチ、それから1年で3センチ成長し、もう1年で2センチほど伸びます。
まき網で漁獲する場合が多いですが、船ひき網や定置網も採用されています。
産地は主に
- 福島
- 三重
- 青森
- 静岡
- 千葉
- 茨城
です。
イワシの美味しい食べ方
イワシの旬は秋です。
新鮮なイワシは天ぷら、酢の物、たたき、刺身などで食べるのがおすすめ。また、つみれ、蒲焼、煮つけ、塩焼きなどにしても美味しいです。
みりん干し、煮干し、丸干しなどの加工品も人気ですし、缶詰も定番でしょう。
checkイワシの稚魚は、しらす干し、たたみいわしなどにされています。
ちなみに、関西圏では「じゃこ(ちりめん)」、関東圏では「しらす干し」と呼ばれる場合が多いです。単に名称が異なるだけでなく、水分量なども違います。
具体的には、しらす干しのほうが「乾ききっておらず、水分が豊富」とされています。ただ、近年では明確に区別されていないようです。
カタクチイワシ
「カタクチ(片口)」と呼ばれている理由は、「下アゴよりも上アゴのほうが大きいこと」であるとされています。青黒い背中であるため、「青黒いわし」という通称もあります。
体長は15センチ程度まで。
日本各地の沿岸、フィリピン、台湾、中国、朝鮮半島などに生息しています。沖合から沿岸の表層あたりで、大規模な群れを構築しています。
春、秋頃が産卵のピークですが、日本の近くの海ではほぼ一年中産卵しています。
日本中で船ひき網、まき網などで漁獲されています。
その中でも特に
・愛知
・石川
・三重
・長崎
などでの漁獲量が多いです。
マイワシと同じく、稚魚の段階から加工される場合もあります。
田作り(ごまめ)や「いりこ(若魚の煮干し)」の材料としてもよく知られています。
いりこは味噌汁の出汁などとして重宝されています。
check田作りも煮干しに分類され、「新鮮な小さい魚を干したもの」を指します。
カツオの一本釣り漁のエサとしても重宝されていますし、正月料理としても大昔から定番です。
ウルメイワシ
check体側に「銀白色の縦帯」も「黒点列」もありません。
「腹びれの起部」のかなり前方に、「青びれの起部」があります。
日本では北海道より南の沿岸、世界的に見ると「暖かい海」の沿岸にいます。
10~6月頃が産卵のシーズンであり、体長は25センチほどです。
定期網、刺網、まき網などがメインであり、
・三重
・静岡
・山口
・高知
・長崎
・島根
・鹿児島
などでの漁獲量が多いです。
干物(丸干しなど)に使われるイワシも色々ありますが、「ウルメイワシの干物」が一番美味しいと感じる人が多いようです。
塩焼き、煮つけ、刺身なども人気。
サーディン(ビルチャード)
マイワシに近い見た目ですが、エラを確認すると判別可能です。
よく似ているためか、「マイワシの代用品」という立ち位置にもなっています。
北大西洋の東部、黒海、地中海、セネガル、北海、アイスランドなどにいます。
体長は25センチほど。
漁獲方法のメインはまき網です。
輸入され、加工されています。
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