こんにちは、お魚の豆知識や雑学をお届けする「ととナビ」です!
前回から始まった地方の魚介加工品シリーズが始まりました。前回の明太子に引きつづき、今回は数の子の歴史や産地、栄養などについてご紹介していきます。
数の子の歴史と産地
まず、数の子という名前の由来について説明します。
昔はニシンのことを「カド」と呼んでいたそうで、ニシンの卵である数の子は、カドの子と呼ばれていました。
それがだんだんと変化して「数の子」となったそうです。
みなさんは数の子といえば、何を思い浮かべますか?多くの方は、おせちに入っているイメージが強いかもしれませんね。
黄金色とはまさにこれだと思わせる華やかさがおせちを彩ってくれます。
また、小さな卵が集まってできていることから子孫繁栄を連想させる縁起物とされていることはご存じの方もいらっしゃるかと思います。
そんな数の子は室町時代に北海道から京都に伝わったという説があります。
当時、北海道から室町幕府への献上物であった昆布の中に、ニシンの卵が産みつけられた子持ち昆布が含まれていました。
それから数の子の評判が知れ、京都を初め、縁起物として親しまれるようになりました。
ニシンは、昭和初期まで北海道南部の沿岸部で盛んに漁獲されていました。ニシン漁で賑わっていた当時の様子は北海道の民謡で有名なソーラン節にも歌われています。
北海道の郷土料理である松前漬けにも数の子が使われます。
松前漬けは数の子、するめ、昆布を醤油で漬け込んだ保存食です。
しかし、1950年以降、乱獲などによって漁獲量は激減してしまいました。
それを受け、松前漬けの数の子の割合はだんだんと減り、今ではするめと昆布のみを漬け込んだものが増えていきました。
そのため、今では国産の数の子は高級品になり、カナダ産やアメリカ産のものが多く出回っています。
数の子の種類と栄養
次に数の子の種類ですが、次の3つがあります。
主におせちで使われるのが塩数の子。
使うときは薄い塩水につけて塩を抜くのがおいしく調理するコツです。
2つ目は干し数の子で、戦前までは一般的でしたが、水で戻すのに4日以上かかり手間がかかることから最近はあまり一般的ではないようです。
3つ目は味付け数の子です。これは既に醤油や出汁で味付けされているので、手間いらずでおいしく頂けます。
また、数の子は栄養を効率よく摂取できる天然のサプリメントです。
EPAやDHAの含有量が多く、コレステロールの合成を抑え、体外への排出を促進してくれます。
魚卵にはコレステロールが多いイメージがあるかもしれませんが、それを上回るEPAやDHAの働きにより、むしろコレステロールを下げてくれるそうです。
お祝い事の時だけの贅沢品と思わず、いつもと違ったお酒のお供としても重宝すると思います。例えば、クリームチーズとの組み合わせなんて、とてもおいしそうじゃないですか?
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