こんにちは、お魚の豆知識や雑学をお届けする「ととナビ」です!
今回は「魚介加工品の歴史」についてご紹介します。
魚介加工品の歴史の始まり
海に囲まれた日本では、遠い昔から魚や貝といった魚介類は人々の間で親しみのある食材でした。
その証拠に、古代の遺跡からも貝殻や魚の骨を廃棄していたと見られる貝塚が全国各地で見つかっています。
海の近くに住んでいた人々にとって、魚介類は栄養満点で、高タンパクでありながら、比較的簡単に狩猟・採集することの出来る最高の食糧だったでしょう。
ただ、魚介類は腐りやすく、生の状態での保存期間は短いため、長期保存の方法が追求されてきました。
縄文時代にはすでに塩を使った簡単な加工が施されていたと考えられています。
そうして、長い歴史の中で様々な種類や味、調理法の魚介加工品が全国各地の沿岸地域で作られるようになりました。
魚介加工品の種類はにぼしや燻製といった干物、かまぼこやちくわを代表とする練り物や、缶詰、鰹節、昆布、魚醤など、多岐にわたります。
魚介加工品の現在に至るまで
飛鳥・奈良時代には朝廷に税として様々な魚介加工品が納められており、この頃には魚介加工品が沿岸地域から内陸部に運ぶことができるほどに長期保存の技術が確立されていました。
歴史好きの方ならご存じかもしれませんが、その一例として「鯖街道」という有名な街道をご紹介します。
鯖街道は京都と若狭、現在の福井県小浜市を繋ぐ街道で、塩漬けにした魚介類を運んでいました。
古い文書には若狭から運ばれた鯖が、京都につく頃にはちょうど良い塩加減になっていたという記載が残されています。
鯖街道を通して、若狭から京都へは魚介加工品が、京都から若狭へは煌びやかな文化や工芸品が行きかっていました。
このように魚介を通じて形成された文化があることを思うと、やはり日本人と魚介類の繋がりは切っても切れない関係ですね。
そして、江戸時代には現在の鰹節の製法が確立されたり、醤油や味噌などの現在に通じる日本食の味付けが完成したりと、魚介加工品は現在のスタイルに近づいていきました。
このような長い歴史の中で作られてきた食文化を知って、おいしく頂くことで私たちもこの歴史を引き継いでいかなくてはいけませんね。
コメント