ブダイは南日本の「れき域」や藻場に分布しています。
「ブダイ科魚類」の中は「ブダイ」が一番温帯に適応しており、西日本の磯ではよく見かけます。
ブダイ科魚類は、下アゴ・上アゴともにそれぞれの歯が癒合して左右2枚ずつになっています。※癒合:癒着してくっつくこと
ですが、ブダイに関しては癒合が不安定であり、前方から口の中を見ると1枚1枚の歯がよく分かります。また、ブダイの歯はアゴから突き出ています。
ちなみにブダイ科魚類は口を前に突き出すことができません。
そして、ブダイは成長するにつれて性転換します(メス→オス)。
ブダイの身体の色は個体によって異なりますが、幼魚とオスは赤っぽい傾向があります。そして、メスは青色っぽくなることが多いです。
また、オスのブダイの腹部には赤い班が不規則についていますが、メスの同じ場所にはそのような斑紋はつかないのが普通です。
夏頃がブダイの産卵期。
産卵期が近づくと、沖合の流れのあるスポットにメスが数百匹集合します。オスはその付近で縄張りを形成します。
満潮を超えるとどんどんペアになっていき、産卵と放精を行います。
ブダイは冬場は主に海藻を食べています。しかし、夏場のエサは底生動物(甲殻類、石灰藻など)がメインとなります。
ブダイは1歳で全長14センチ、3年で29センチ、5年で36センチほどになります。
7歳ほどで生涯を閉じ、最終的な全長は45センチ前後となります。
一般人がおこなう釣りの対象でもあります。
ブダイの美味しい食べ方
ブダイの旬は冬です。
臭みが弱くなり美味しくなる冬場に食べると、特に美味しいです。
夏場でも食べないわけではありませんが、ブダイ特有の磯臭さが増してしまいますから味が落ちます。
たたき(味噌など)、洗い、刺身、から揚げ、ちり鍋、煮つけなどで食べるのが人気です。
加工品としては味噌漬けがメジャーです。
伊豆七島の名物として「べっこうずし(島ずし)」があります。
これは、ブダイの身をアルコール、みりん、醤油を混ぜた汁に漬け込み、その身を使って作る握りずしのことです。
ブダイの身に「照り」が入ると「べっこう」のように見えるため、べっこうずしと呼ばれるようになったと言われています。
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