クラゲの目はどこにある?意外と知らないクラゲの基礎知識

タコクラゲ ととナビ

「クラゲとは何か?」と聞かれて、皆さんは答えることはできますか?また、「クラゲにも目がある」と言われても、「えっ!?どこに目があるの?」とこれまた答えに窮すると思います。

実際に、小学生に「クラゲに目はあるか?ないか?」と尋ねると、ほとんどの子供が「ない!」と元気よく答えてくれます。

今回は、そんな子供でも誰でも知っている生き物でありながら、意外に知らないことだらけのクラゲについてお話したいと思います。

クラゲってどんな生き物?

クラゲは、check「刺胞動物の中でも、水中を浮遊する種」をまとめた総称とされています。そしてその特徴は、体がゼラチン質(ゼリー状)で、普通は触手を持っていることです。

ただし、同じような特徴を持った生き物全般に「クラゲ」という名前がついていることが多々あり、とてもややこしいことになっています。

例えば、有櫛動物である「カブトクラゲ」や、貝の仲間である「ゾウクラゲ」などは、見た目も透明で海中を漂うように生活しています。

つまり、「クラゲ」とは狭義の意味では、刺胞動物の一部であり、広義の意味では「透明なゼリー状の(浮遊している)生き物」という、割とフワッとしたくくり方をされているんですね。

後者のイメージは、私たちが一般的に抱いているクラゲのイメージと近いかもしれません。

実際に、水族館ではクラゲコーナーで有櫛動物のクラゲも展示されていることが多いので、「刺胞動物および有櫛動物の中で、透明なゼリー状の生き物」をクラゲとしているようです。


↑有櫛動物のカブトクラゲ

さて、クラゲの正体である刺胞動物とは、どんな生き物なのでしょうか。

その名前にある通り、「刺胞」と呼ばれるcheck毒針を内包した細胞をもっている生き物のことをさし、他にもイソギンチャクやサンゴもこの仲間に含まれます。

なんだか、地面に張り付いているイソギンチャクやサンゴと同じ仲間といわれると不思議な気がしますよね。

そんなときは、クラゲの体を触手が上になるように逆さにして見てみてください。触手がまるでイソギンチャクのように見えてきませんか?

サンゴもよくよく拡大してみてみると、固い外骨格の表面に無数の小さな穴が開いており、穴の中にはイソギンチャクに似た花のような形の触手を持った体があります。

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そして、この触手に刺胞があり、他の生き物が触手に触れると刺胞から毒針が出射され、痛みを与えたり、時には死亡させたりするのです。

クラゲの目はどこにある?

目や口、胃袋や脳など、私たちの体に当然にあるものですが、この4つのうちクラゲにもあるのはどの部位でしょう?

…正解は、「脳」以外全部あるんです!

クラゲは全身透明なので、どこに何やら?という感じですよね。そこで、ミズクラゲを例にクラゲの体の部位について解説したいと思います。


↑ミズクラゲの体

まず、クラゲの目についてですが、私たちの目と違って映像は無く光を感じる程度しかできないものです。そのため「眼点」と呼ばれる通り、点のようなとても小さく単純な構造をしています。

この目は白い小さな点のように見え、check傘の周縁、触手の付け根に等間隔に並んでいます。目の数は16個程度の種類が多いですが、箱クラゲと呼ばれる仲間では、目が特に発達しており、約24個ついています。

この仲間の目は他のクラゲと異なり、網膜や虹彩などを備えた複雑な構造をしており、「オパリウム」なんて特別に名前まで付けられているんです。

ちなみに、クラゲは地球上で初めて目を持った生物であるとも考えられているんですよ。

目なんてなさそうな生き物代表のようなクラゲですが、実は生物の目の進化に多大な貢献をしていたんですね。

次にクラゲの口ですが、これは傘の裏側の中心にあります。クラゲは傘の周縁にある触手でエサを捕った後、触手を縮めて口へと送り込みます。

エサは消化吸収されながら胃腔を通過し、残りカスはなんと口から吐き出されます。つまり、checkクラゲの口と排泄孔は同じなんです!

人間で考えるとちょっと衝撃的ですよね。また、クラゲは口から胃袋から全て透明のため、胃袋が食べ物の色で染まる様子がよく分かります。

魚食性のクラゲでは、魚が丸々1匹クラゲの体の中に入ってる様子が見られることもあるんですよ。

クラゲの赤ちゃんはどんな姿?

クラゲといえば、海中をふわふわと漂う姿が印象的ですよね。では、クラゲは生まれた時から海中をふわふわと泳ぐのでしょうか?

実は私たちが知っているクラゲの姿は、クラゲが繁殖するときのみの姿なんですよ。クラゲにはちゃんとオスとメスがいて産卵・受精を行うわけですが、check生まれたばかりの姿は地面にくっついて触手を広げている、まさに小さいイソギンチャクのような姿なんです。

そしてその小さな姿のまま分裂してどんどん自分のコピーを増やしていきます。この姿の時は「ポリプ」と呼ばれ、クラゲ状態の機関が数か月であるのに対して、時には何年もポリプ状態で暮らします。

ポリプからクラゲになるきっかけは環境の変化、特に水温の変化と考えられており、環境が変わるとポリプの先端が雪の結晶のような小さなクラゲになり、いずれ地面から離れて海中を漂うようになります。

そこからエサを食べてさらに大きくなり、私たちがよく見るようなクラゲの姿になるのです。

まとめ

・クラゲは「刺胞動物」の仲間であるが、同じようにゼリー状の体を持つ他の生き物にも、名前に「クラゲ」とつくことがある。

・クラゲの目は光を感じる機能があり、傘の周縁に複数個ついている。

・クラゲの生活史には、地面に固着する「ポリプ」期と、浮遊生活を送る「クラゲ」期がある。

ふわふわと海中を漂う癒し系なクラゲですが、実はイソギンチャクなどの仲間で、自身もイソギンチャクのような姿の時期があったり、目がなさそうなのにいくつもの目をもっていたりと、意外な側面がたくさんありますよね。

ここで紹介した以外にも、毒を持っていたり、光合成したりと、まだまだ面白い話がたくさんあります。

水族館や海でクラゲを見かけた際には、癒されるだけでなくぜひじっくりと観察してみてくださいね!

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