こんにちは、お魚の豆知識や雑学をお届けする「ととナビ」です!
地方の魚介加工品シリーズ第3弾は鰹節の歴史や作り方、栄養などについてご紹介していきます。
鰹節の歴史
うまみ成分をたっぷりと含む鰹節は家庭料理でも重宝され、味の深みをアップさせてくれる出汁食材として知られています。
家庭で使う鰹節は、薄く削られたものが多いですよね。
では、削られる前の鰹節をご覧になったことはありますか?
それがこちら。鰹節だと知らずに見せられたら、ゴツゴツした石のような塊で食べ物には見えないなと思いますよね。
もちろん魚である鰹をこの姿にするまでには、手間や時間がかかっています。
それではまず、鰹節の歴史を一緒に見ていきましょう!
鰹節に近しいものが日本の文献で最初に登場するのは奈良時代の有名な歴史書、古事記です。
堅魚と呼ばれたその食べ物は弥生時代から古墳時代には作られていたとされ、素干しにした鰹やその煮汁を煮詰めて作った調味料が記録として残っているようです。
江戸時代に入ると紀州の漁師によって、今日の鰹節づくりの基礎とされる焙乾法が作られました。
焙乾法とは、煙で燻すことで、鰹に含まれる水分を飛ばす方法です。
さらに、焙乾には魚臭さを取り除くとともに、うま味や香りを閉じ込めたり、酸化を防いだりといった重要な働きがあります。
この方法は時を経て同じく鰹節を特産品としていた土佐をはじめ、薩摩、伊豆、焼津へと伝わっていきました。
現在の鰹節業界の主流の1つは土佐節と伊豆節の長所を取り入れ、徹底した焙乾と複数回のカビ付けを行った焼津節です。
地域を越えた伝承と改良製法が重ねられてきたことから、鰹節はうま味も歴史も深~い食材だと言えますね。
鰹節のうま味と栄養
次は鰹節特有のうま味成分や栄養についてお話しします。
焙乾やカビ付けを経た鰹節に含まれる水分は元の20%以下、重量比は約6分の1まで小さくなります。
そこにギュッと凝縮されたうま味と栄養が詰まっていることには納得がいきます。
まずご紹介したいのはうま味成分のイノシン酸です。
海の中を高速で泳ぎ回る鰹の体内には豊富なエネルギー源があり、それがイノシン酸へと分解されることであの贅沢なうま味を感じるのです。
次にアミノ酸です。なんと30種類のアミノ酸を含み、そのうち必須アミノ酸を9種類も含んでいます。
疲労回復や免疫力向上、ダイエット効果などが期待されます。
そのほかにもタンパク質やビタミンをたっぷり含む、とってもありがたい栄養満点食材です。
鰹節は削り方によって口当たりも異なりますし、いろんな料理に取り入れやすいので、鰹節のバリエーションを楽しんでみてはいかがでしょうか?
コメント