ふぐと言えば、ユニークな見た目と毒を持っているという怖さ、そして絶品と言われる味わいなど、多くの特徴をもっている魚です。
縄文時代の貝塚から骨が発見されていることから、古くから日本の食文化に深いつながりがあることもわかってきました。
今回はそんなユニークな魚、ふぐについてご紹介します。
ふぐの生態
世界では約430種のふぐの仲間がおり、日本近海ではそのうち約60種類が生息しています。
ふぐは世界中の温帯から熱帯に分布しており、淡水で生活するものから海水で生活するものまで、さまざまな種類のふぐがいます(日本近海に生息するものは海水性の種類のみ。)
ふぐ目として分類される430種のうちには、私たちもよく知っている魚も含まれています。
たとえばトゲトゲの身体を膨らませる姿がユニークな「ハリセンボン」、水族館の人気者「マンボウ」や、煮付けや肝醤油で食べる刺身が絶品の「カワハギ」なども広く見るとふぐの仲間になります。
平成28年の調査によると、ふぐの水揚げ見本市は北海道で全体の約14%、次に島根県、石川県、福岡県、山口県と続きます。ふぐで有名な下関がある山口県は全体の水揚量の5.6%ほどです。
ふぐの旬は11月ー2月頃です。特に、産卵直前の2月は身も白子も発達して最も美味しい時期と言われています。
ふぐの種類
日本近海に生息する60種のふぐのうち、日本で食用として漁獲されているふぐは、22種に限定されています。
最高級種はトラフグをはじめ、カラスフグ、マフグ、サバフグなど様々な種類のふぐが食用として利用されています。
ふぐ料理として有名なものはふぐ刺し(刺身)。添えてあるネギと一緒にポン酢をつけていただきます。
弾力のあるの歯応えと甘さはふぐの特徴で、他の魚では味わえないものです。その他、ふぐちり(鍋)、唐揚げ、白子、ヒレ酒など様々な形で利用されています。
ふぐ毒について
一般的にふぐの毒といえば神経毒の「テトロドトキシン」を指します。
テトロドトキシンはcheck青酸カリの約1000倍の毒をもっており、摂取すると1時間〜6時間で発症し、全身が痺れて運動麻痺がおこり、最悪命を落としてしまう場合があります。
テトロドトキシンのやっかいな部分は、現在でも解毒剤がないこと、そして300°Cの熱を加えても分解されずに毒性がのこることです。
そのため、ふぐの毒を回避するためには物理的に除去するしか方法がないのです。さらに、ふぐは種類によって毒を持っている箇所が異なります。例えばトラフグは肝臓や卵巣などの内臓に、マフグは皮に毒をもっています。
ふぐの調理に免許が必要なことも肯けますね。
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