ブリは、日本各地で獲れる冬の代表的な魚のひとつです。成長段階によって名前が何回も変わる「出世魚」として、昔から縁起がとよいとされ日本人に好まれてきた魚でもあります。
今回はそんなブリについてご紹介します。
名前が変わる魚
ブリは、成長につれて名前が変わる出世魚です。
出世魚は、check昔の人が元服の時などに名前を変えたことに似ているので、縁起が良いとされていて、お祝い事に使われることも多いです。
名前は地方によって様々ですが、関東では、「モジャコ」→「ワカシ」→「イナダ」→「ワラサ」→「ブリ」と、関西では、「モジャコ」→「ツバス」→「ハマチ」→「ブリ」と成長に応じて名前がかわります。
全国で様々な名前があることからも、ブリは昔から日本人にとって馴染みの深い魚だということがわかりますね。
ブリの生態
ブリは日本の沿岸を回遊する海洋魚です。
南日本の沿岸で孵化した稚魚は北上し、だいたい2歳くらいになるまで沿岸の浅瀬に生息します。その後、春から夏にかけて北上し、秋になると産卵のために南下します。
ブランドブリ
日本各地で水揚げ・養殖されるブリ。いろいろな地域でブランド化も進んでいます。
有名なものは氷見の寒ぶりですね。
ブリは初冬になると北海道から九州の五島列島付近まで南下しますが、富山の氷見市近海はその中間地点にあたります。この地域のブリが最も脂が乗って美味しいとされているため、氷見の寒ぶりがブランドとして有名になりました。
そのほかにも、最近では養殖のブリの餌に地域特産の柑橘類などを混ぜて臭いを消し、美味しくさせたブランドブリも登場しています。
2007年に販売された鹿児島県の「柚子鰤王」が火付け役となり、香川県の「オリーブぶり」や、大分県の「かぼすブリ」、愛媛県の「みかんブリ」などが有名です。
旬と味
出世魚のブリは、成長の段階により味も旬も変わってきます。
ブリになる前のハマチ、ワラサは夏から秋にかけて水揚げされます。成魚であるブリに比べて脂の乗りは少ないので、さっぱりとした味じわいが特徴です。
ブリの旬は北海道近海から南下する冬。天然の寒ブリは脂がのっていて、濃厚な味わいを楽しめます。
おいしいブリの見分け方
店頭に並ぶブリで、鮮度が良く美味しいものを見分けるポイントがいつくかあります。
まず一つ目はcheck「血合いの色が鮮やかかどうか」です。
血合いとは、切り身でいうと皮と身の間の濃い赤色をしている部分。血管が多く集まり、血液が溜まる部分です。
鮮度が良いブリは、この血合いの部分が赤色ですが、時間が経つと酸化し黒ずんできます。
二つ目のポイントはcheck「皮や身にツヤ・ハリがあるか」です。
鮮度の良いブリは皮や身に光沢があり、鮮やかな色をしています。鮮度が落ちた身は白く濁ってきます。
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