冬はカニが美味しい季節。タラバガニはカニの中でも大きな種類なので食べ応えがあり、人気の種類です。焼きガニにして食べると絶品ですよね。
でも実はタラバガニは生物学的にはカニの仲間ではないのです!
今回は、そんなタラバガニについてご紹介します。
カニでなく実は○○
タラバガニは「カニ」と名付けられていますが、実は生物学的にはカニの仲間ではありません。タラバガニは実はヤドカリの仲間に分類されるのです。
checkヤドカリの仲間は一番後ろの脚が極端に小さいのが特徴で、タラバガニも実際一番後ろの脚は甲羅に隠れているので、一見するとタラバガニはハサミを加えても脚が4組しかないように見えます。
他のカニはハサミを加えると脚が5組あるので、見分けるのは簡単ですね。タラバガニの5組目の脚はとても小さいのですが、エラの掃除をするという役割を担っています。
生態と旬

タラバガニは北海道から北の深海に住んでいてます。日本では北海道の網走や羅臼が主な産地です。

漁ができる海域がとても限られているため、国産のタラバガニは非常に希少で、一般的に流通しているタラバガニは、ロシアやアラスカ、ノルウェーなど海外から輸入されています。
タラバガニの旬は冬と春の2回。check11月〜2月のタラバガニが深海でエサをたくさん食べている時期なので、身入りが一番良いと言われている時期です。
4月〜6月になると産卵のため深海から浅い海に上がってきます。この時期のタラバガニは甘味も増し、また浅いところまで上がってきて漁もしやすいので多くのタラバガニはこの時期に漁獲されます。
名前の由来
タラバガニは漢字で書くと「鱈場蟹」。これは、checkタラバガニの生息している海域がタラの漁場(鱈場)と重なっていることが由来とされています。
一説には、北海道のタラ漁師が間違えて網を海底まで降ろしてしまい、網を引き揚げてみると見たことのないカニが網にかかっていたというのがタラバガニ漁の起源とされています。
蟹工船
日本のプロレタリア文学の代表とも言われ、近年再び脚光を浴びた小林多喜二の「蟹工船」。
これは北海道のタラバガニ漁と、缶詰の加工を行う船がモデルになっています。当時の過酷な労働環境を垣間見ることができる作品です。
現代でもタラバガニの漁は極寒の海という過酷な環境で行われていますが、大量のカニが漁獲されたときの収入は大きく、「現代のゴールドラッシュ」と呼ばれています。
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