日本水産の、2022年3月期の連結業績予測は、売上高6420億円(前期比2.2%減)、営業利益200億円(同10.6 %増) 、経常利益230億円(同1.1 %増)、純利益150億円(同3.8 %増)です。
2022年3月期は、「弱点を克服するとともに強みを伸ばし再成長のための基盤がため」と位置づけ、国内養殖事業・チルド事業の早急な立て直しに加え、外出自粛や在宅勤務の増加などによるライフスタイルやニーズの変化に対応した、美味しく健康に寄与する商品をグローバルに拡大・強化していく方針です。
欧米での生産機能の拡張、昨年稼働した新工場を軸としたアジアへの販路拡大など海外展開をさらに進めていく予定もあります。
医薬品原料の海外展開の早期実現、AI・IoTなどのデジタル技術を活用した養殖事業の高度化や生産性改善に取り組んでいく方針もあるようです。
各事業の垣根を越えた商品開発や新規事業、eコマースなど新たな取り組みを進めるとともに、新しいアイディアを実現できる多様な人材が働きやすい環境作りも進めていき収益回復に努めるようです。
課題である国内養殖事業については、マグロは人口種苗の縮小・蓄養の拡大、銀鮭の育種などによる生産性向上、環八は人口種苗の導入・飼料を改善などコスト削減を急ぎ収益改善を図る方針です。
このように体質改善を図り、業績に関しては今後上向く予想をしています。では具体的な数字について見ていきましょう。
日本水産の決算について
今後の株価を予想するうえで会社の決算内容は非常に重要です。日本水産の2018年からの決算を載せておきましたので確認してください。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 1株配 |
2018.03 | 677,293 | 23,240 | 24,583 | 17,234 | 55.3 | 8 |
2019.03 | 712,111 | 21,685 | 25,358 | 15,379 | 49.4 | 8 |
2020.03 | 690,016 | 22,834 | 25,807 | 14,768 | 47.5 | 8.5 |
2021.03 | 656,491 | 18,079 | 22,750 | 14,452 | 46.5 | 9.5 |
予 2022.03 | 642,000 | 20,000 | 23,000 | 15,000 | 48.2 | 9.5 |
2021年は、減益にこそ終わりましたが、影響は比較的軽微であったといえるでしょう。2022年の決算予想は売上高こそ減る予想ですが増益の予想です。
では、決算を見たうえで、株価などをみていきましょう。(2021年6月4日現在)
<マルハニチロの現在の株価>
- 株価:540円
- 予定年間配当:9.5円
- 年間配当利回り:1.75%
- 予想PER:11.62倍
- PBR:0.89倍
下のチャートは日本水産の5年間の株価チャートです。
出典:https://minkabu.jp/stock/1332/chart
2019年3月をピークにして株価は長期低迷していました。しかし、2021年に入り株価は要約上昇基調に入ってきました。2022年の増益予想や宅食の需要が続くことをを考えると今後大きく株価が上昇する可能性はあるのではないでしょうか?
では日本水産は同業他社対比どのような位置にいるのでしょうか?
マルハニチロ | 極洋 | 日本水産 | |
株価 | 2455円 | 2935円 | 540円 |
売買単位 | 100株 | 100株 | 100株 |
時価総額 | 1292億円 | 320億円 | 1687億円 |
上場市場 | 東京証券取引所一部 | 東京証券取引所一部 | 東京証券取引所一部 |
決算月 | 3月 | 3月 | 3月 |
株主優待 | あり※ | あり | あり※ |
PER | 9.2倍 | 9倍 | 11.2倍 |
PBR | 0.9倍 | 0.78倍 | 0.89倍 |
配当利回り | 1.60% | 2.70% | 1.75% |
ROE | 4.20% | 10.50% | 8.96% |
自己資本比率 | 26.81% | 34.71% | 35.67% |
日本水産はマルハニチロと争う水産最大手の会社です。主要項目を見てもほかの2社に劣る所は見当たりません。ヒット商品も多く、今後も株価の上昇は期待できるのではないでしょうか?
※日本水産の株主優待の内容
- 権利確定…3月末
- 対象株主…毎年3月31日現在において、日本水産の株式500株以上を所有の株主
- 優待内容…500~1000株未満:3,000円相当の日本水産の商品
1000株以上…5000円相当の日本水産の商品
主力セグメントの状況
日本水産は、水産事業、食品事業、ファインケミカル事業、物流事業、海洋関連・エンジニアリング事業5つの事業セグメントを持っています。
この中で最も売上高が高いのが食品事業です。日本水産はニッスイともいわれており、ニッスイの冷凍食品を利用している方も多いでしょう。
日本水産の食品事業の売上高の推移です。
- 2018年度:3423億円
- 2019年度:3372億円
- 2020年度:3300億円
売上高は年々落ちていますが、コロナウィルスの影響を考えると今後、宅食の需要はますます広がることが予想されます。現状のままでも十分な利益を狙うことはできますが、ヒット商品が出ると大きく売上・利益ともに上昇するでしょう。
日本水産は商品開発力にも定評があるので期待感は十分です。
まとめ
今回は、マルハニチロと並ぶ水産業界の雄である日本水産の今後の株価について予想してみました。
ニッスイの愛称で多くの人に愛されている日本水産ですが、現在のコロナ禍の状況を考えると食品事業の更なる発展が期待できます。
2019年3月から株価は下落を続けていますが、ようやく底を打った感じもしますので今後さらなる上昇が期待できるのではないでしょうか?
日本水産を応援するためにも、皆さん、ニッスイを利用してみてはいかがでしょうか?
コメント