刺身だけじゃない!福島で出会う“北寄貝グルメ”

管理栄養士日記

北寄貝(ほっきがい)とは

北寄貝(ほっきがい)は正式名称を「ウバガイ」といい、寒冷な海に生息する二枚貝です。

殻はごつごつしていますが、中の身は肉厚で柔らかく、火を入れると甘みがぐっと引き立つのが特徴。

寿司ネタとしておなじみの赤紫色は、湯通しで鮮やかに変わる色合いです。コリコリとした食感と噛むほどに広がる旨味が魅力で、良質なタンパク質や鉄・亜鉛などのミネラルも豊富に含まれています。

福島でも楽しめる北寄貝

北寄貝は全国的に見ると、北海道・苫小牧が漁獲量で一番多く、冬の味覚として長年親しまれています。

しかし、福島県の海でも北寄貝は獲れます。特にいわきや相馬の漁港は、親潮と黒潮がぶつかる豊かな漁場で育ち、身には甘みと旨味がしっかり詰まっています。

地元の人たちは「北海道のものが有名だけど、福島の北寄貝も負けていない」と話すほど。冬の味覚として、福島でも昔から親しまれてきました。

福島県の“おいしい北寄貝料理が楽しめるお店”

郡山に移住してからは、スーパーでも北寄貝を見かけます。入荷のあった日には、発泡スチロールの箱にガサっと入って販売され、1個から購入可能です。ただし、北寄貝は殻が厚く、内臓や砂が残っているため、そのままでは食べられません。店員さんに頼めば、むき身にしてもらえることもあり、家庭での調理も簡単になります。

北寄貝のガーリックバター炒め|吉田屋魚店(磐梯熱海駅 徒歩3分)

写真は、磐梯熱海の吉田屋魚店・国分さんが作る「北寄貝のガーリックバター炒め」です。

磐梯熱海駅は郡山駅から車で約30分の温泉地。こんな内陸で、思わず驚く“最強の絶品魚”に出会えるとは!

吉田屋魚店は駅から徒歩3分の街の魚屋さんで、明治45年創業。現在は4代目の店主・国分謙介さんが、日々、厳選した魚を販売しています。魚の締め方や熟成の加減など、素人の私には正直よくわかりません。でも、一口味わえば「ただ魚を捌いただけではない」ことがすぐに伝わってきます。

さらに、魚屋さんの隣にある小さな温泉宿では、金曜と土曜の夜に国分さんの魚料理を楽しむことも可能。町おこしの一環として地元の海産物の魅力を発信しており、温泉でほっこりしたあとに味わう海鮮料理は、まさに至福のひとときです。

特に贅沢な海鮮丼は、ネタひとつひとつが“丁寧な料理”として仕上げられており、東京の高級寿司店で一貫一貫を手に乗せていただいているような感覚です。東京からでも足を運ぶ価値がある、美味しさです。

国分さんには、いつか改めて福島の魚の魅力について取材させていただきたい__と、今から(勝手に)楽しみにしています 笑

貝じゃぶそば|隆仙坊(郡山駅から徒歩12分)

もう一つの北寄貝グルメが、郡山の老舗蕎麦店・隆仙坊さんの「貝じゃぶ」です。

北寄貝の出汁を使った冷たいそばで、旨味と磯の香りが口いっぱいに広がります。暑い日に食べると贅沢なのに素朴さも感じられ、まさに“海と浜の知恵”が詰まった一杯。福島の北寄貝は刺身だけでなく、こんなユニークな郷土の味としても楽しめることを実感しました。

プロフィール

GLOCAL EATs 
ソーシャルデザイナー 石松 佑梨(いしまつ ゆり)
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートの専属管理栄養士として食トレを提供する。次代を担うジュニアアスリートの食育にも力を入れる。近年では雑誌や商品、レストランなどの栄養監修に携わる一方で、絵本作家としての活動に注力している。

著書:過去最強のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー(かんき出版)
インスタグラム:personal_curry

コメント

タイトルとURLをコピーしました