ウェルネスコンサルタントの石松 佑梨(いしまつ ゆり)です。これまで世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士に従事してきました。本記事では、アスリートサポートで培った〈海外でのコンディショニング〉についてご紹介します。
突然ですが、セブ島に1ヶ月間の語学留学に行ってきました。
そこで、わたしが実際に日本から持っていった食べ物や食に関わる備品、また現地で多かったクラスメイトたちのプチ不調とその解決策も紹介します。現地でできる解決策は、セブ島だけでなく、海外への転勤・出張や遠征などでもご活用いただけると思います。
留学中のプチ不調ランキング、かんたん食トレで解決!
1位 体重:原因はむくみか、体脂肪か?
一番多いのが「身体が重い!」という訴え。
一日中座って授業を受け、終わる頃には外もまっ暗。自然と歩く機会が減り、運動不足になってしまうのです。さらにフィリピン料理は、揚げ物と甘いものが多く、慣れるまではヘルシーな食事方法も見い出しづらいでしょう。フロア移動はエレベーターを使わずに階段を使うなど、こまめなことですが、身体を動かす工夫をしましょう。YouTube動画などを使ったヨガはもおすすめです。心と体がリフレッシュできます。
また、真っ先に感じやすい身体の重さはむくみが原因です。フィリピン料理は味の濃いため、塩分過剰になりやすく、体内に余分な水分を溜め込みやすいのです。運動不足がさらにむくみを悪化させます。むくみを取り除くには、しっかりカリウムを摂りましょう。カリウム摂取には、生野菜のサラダが向きますが、セブ島で生野菜が食べられるお店は多くありません。写真は、学校1階のskilletというレストランでいただく朝食です。
skilletは生野菜が食べれる唯一のレストランと言っても過言ではありません。では、自分でむくみ解消したいときは…… というと、やっぱりバナナでしょう。わたしは、スーパーでバナナを2〜3本買って、常備していました。
またスイカも◎ skilletの朝食に、スイカはよく登場しましたよ。しょっぱい料理の翌朝はフルーツでむくみとり! これをルーティンにしましょう。
2位 睡眠不足:夜中に何度も目が覚める
成田国際空港からセブ島まで、直行便だと約5時間30分、時差はマイナス1時間。時差による不調はあまり聞かれません。
まず睡眠不足の原因になりやすいのが、空調や外の騒音です。また、窓のない部屋に滞在されている方は、体内時計が乱れやすいのも睡眠の質を悪くするでしょう。内窓の方は、朝食の前に少し外に出て、朝日を浴びるようにしてみましょう。視覚による光刺激には体内時計をリセットする働きがあります。同様に朝食も体内時計をリセットします。
また、睡眠ホルモン・メラトニンの材料であるトリプトファンとビタミンB6を朝に摂ることが、睡眠の質を向上させることもわかっています。おすすめは、トリプトファンとビタミンB6が豊富な朝バナナです。
3位 眼精疲労:夕方になると目がかすむ
長時間の授業で、夕方になると目がかすむ…… これは血液不足の症状です。
血液は寝ている間に作られるものですので、睡眠の質を高めるとともに、血液の材料を食べ物から補いましょう。
血液チャージにおすすめしたいローカルフードが、Bularo(ブラロ)です。
骨付きの牛アキレスととうもろこしの入ったスープは、福岡おでんのような優しい味わいをしています。
有名なフィリピン料理の一つですので、色々な飲食店で購入できるのも嬉しい点です。
また、とうもろこしの胃腸を整える働きは、体内への吸収率が悪い鉄の吸収を高めます。豊富な食材と組み合わせることで、その吸収をサポートしてくれるのです。ぜひ、お試しください。
4位 便秘:野菜不足はどうしたらいい?
わたしは日本から、スープジャー、オートミール、カットわかめ、フリーズドライたまごスープを持っていきましたが、大変重宝しました。お湯を注ぐだけで、写真のような即席おじやができますよ。
温かいスープ料理は副交感神経を刺激し、腸の蠕動運動を活発にします。またストレスを和らげることは、緊張性便秘の解消にも繋がるでしょう。さらに少量のオートミールとたっぷりの水分の組み合わせも◎ やわらかな便でのカサ増しは、年齢とともに弱った腹圧が、便を押し出す力をサポートしてくれるでしょう。ただし、オートミールの入れ過ぎは、便を固くしすぎてしまうので逆効果。オートミールは水分を吸って膨らむため、おじやであれば大さじ1杯程度の量で十分でしょう。たまごは、コロコロの乾燥便秘におすすめの食材です。
ローカルフードで便秘対策したいときは、手軽なバナナもいいでしょう。ただしプロバイオティクスのためにセブ島のヨーグルトは不向きです。砂糖が多く甘すぎます。どうしてもプロバイオティクスが気になるようであれば、ドライ納豆を日本から持参してはいかがでしょうか? わたしは、川口納豆さんのドライ納豆を持参し、朝食の米飯にかけて食べていました。ドライ納豆はプロバイオティクスもプレバイオティクスも、さらにはタンパク質まで補えるスーパーフードです。
5位 ストレス:スイッチをオフにしてくれる飲み物
国内でのストレス対策には、ハーブティでのリラックス方法推奨しています。海外ではそれに加え、飲み慣れた日本茶のティーバッグが大変重宝します。
温かいほうじ茶や玄米茶は、アクティブモードをオフに切り替え、心とからだをゆるめてくれます。実際、これとスープジャーの組み合わせで、わたしは何度もリセットできました。どちらも日本からぜひ持って行ってほしいものです。
プロフィール
GLOCAL EATs
ソーシャルデザイナー 石松 佑梨(いしまつ ゆり)
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートの専属管理栄養士として食トレを提供する。次代を担うジュニアアスリートの食育にも力を入れる。近年では雑誌や商品、レストランなどの栄養監修に携わる一方で、絵本作家としての活動に注力している。
著書:過去最強のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー(かんき出版)
インスタグラム:personal_curry
ホームページ:https://glocaleats.recipee.net
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