白子とはフグ、タラ、サケなどの精巣のことをいいます。オスからしかとれない上、一匹からとれる量も少ない珍味です。とくに最高級品であるトラフグの白子は、産卵期前の1月~3月頃だけしか味わえません。まさに今が旬の味覚なのです。
国内流通のトラフグでも天然ものは1割ほどしかなく、たいへん稀少な高級魚です。日本で水揚げされる天然フグの80%ほどが山口県の下関で加工された後、都市へと運ばれます。フグは下関をはじめ、西日本では「ふく(=福)」といわれることが多いです。とても縁起のいい名前ですよね。ただし福岡育ちの私でも、実際に「ふく」と呼んでいる人を見たことがなく、あくまで表記までという認識です。
それにしても上京してから驚いたことの一つが、東京で食べるフグのお値段の高さ!!!
日常のご馳走レベルでフグを食べてきた私の感覚(西日本でもご馳走でないわけではありませんが…)では、東京のお店でフグを食べる勇気が出ませんでしたね。最近では産地直送の鮮度の高いものをお取り寄せできるようになったのが嬉しいです。
というわけで、今が旬の「下関ふくの白子」をお取り寄せしてみました。
白子ポン酢、天ぷら、焼き物、鍋料理など…さまざまな料理で美味しく食べられますが、このうち個人的なおすすめ3品をご紹介します。
焼き白子
関東で白子といえばタラですが、下関ではフグです。フグは身も美味しいのですが、クリーミーな白子が絶品!
私が下関に行くと必ず食べるのが、焼き白子……ポイントは水気をしっかり拭き取って、強めに塩をすること。これをグリルでさっと焼きます。焼きすぎるとせっかくのクリーミーな美味しさが失われてしまうので注意しましょう。目安は5分〜10分。様子を見ながらちょうどいい具合に焼きます。焼けたら酢橘などをギュッと絞ってそのままどうぞ。日本酒が進みます。
白子ポン酢
焼き白子も絶品ですが、白子ポン酢も捨てがたい! てっちり(フグちり鍋)の主役はフグの身ではなく、フグ出汁が染み出た〆の雑炊と言われる方もいますが、それも白子があれば別の話です。
白子をさっとくぐらせたら、もみじおろしとポン酢、浅葱(フグ刺しの薬味がそのまま使えます)でいただきます。
フグの白子は大きさと値段が比例するといわれています。水風船のように、薄い皮の内側には濃厚なトロトロクリームがたっぷり入っているのです。想像しただけで、もうおいしい。。。。
白子茶碗蒸し
フグの白子を使った料理の3品目には、茶碗蒸しを挙げてみました。おそらくタラの白子であれば、3品目には”天ぷら”を挙げていましたが、フグの白子にはトロトロの茶碗蒸しがぴったりだと(個人的には)思っているのです。
今回はフグの白子を使った料理3品を、個人的な好き嫌いだけで選んで書いてみました。
このほか、東京のある割烹でフグの白子を潰したリゾットをいただいたことがありました。とってもおいしいのですが、個人的にはもったいない感がいっぱいでした。生うにを混ぜ込んだパスタと同じ気持ちで、できれば、贅沢な白子やウニをソースにする時は形のままのせてほしく、できればお皿の中で自分で潰しながら食べたいなあと思ってしまうのは私だけでしょうか……
全国的にも、初代内閣総理大臣・伊藤博文が愛した老舗の下関ふく料理店「春帆楼」は大変有名ですが、その近くにある唐戸市場などでは、もっと手軽にフグを楽しむこともできます。回転寿司にフグの白子軍艦などがあったり… ぜひ、下関に行かれた際には「下関ふく」をご堪能ください。
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