コイ科の魚「モロコ」の話

モロコ とと

ホンモロコの特徴

ホンモロコ(コイ科)の生息地は琵琶湖だけです。

水深5メートルよりも更に深い位置の、沖合中層・表層で、群れを作って暮らしているホンモロコが大半です。

全長14センチ程度で成長が止まります。

3~7月頃が産卵期ですが、ピークは4~5月です。

用水路、内湖、沿岸などに移動して、「雨で水位が上がった、晴れた日の日中」に産卵します。

もともとの生息地は琵琶湖だけですが、今では日本の色々な場所に移植され、岡山の湯原湖、長野の諏訪湖、山梨の河口湖・山中湖、東京の奥多摩湖などでは繁殖しています。

琵琶湖においては沖引網、地引網など色々な手段で漁獲されています。

ちなみに一年中獲ることができます。

昭和40年代後半には300~400トンほど漁獲できていたのですが、50年代に入り300トンを割りました。100トンを切ったのが平成8年のことであり、そこから7年程度で12トンにまで落ち込みました

これを受け、滋賀県では種苗や卵の放流をしています。

埼玉県ではホンモロコの養殖(水田転作)を1991年にスタート

2002年にはおよそ18トンを生み出すことができました。

また、群馬県、長野県、香川県などでは溜池を使った養殖をしています。

関西では「タモロコ」の養殖が行われています。ホンモロコの代わりにするためです。

ただ、ホンモロコに比べると味が落ちると感じる人が多いようです。

ちなみに、タモロコに比べるとホンモロコは口ひげが短く、口が上向きになっています。また、吻が尖っていますし、身体も細長いです。

ホンモロコの美味しい食べ方

ホンモロコの旬は1~3月頃です。

特に「子持ちホンモロコ」が人気であり、関西では高値で販売されています。

肉質が高く、淡白。骨も柔らかく、「国産のコイ科魚類のうちでは一番美味しい」と感じる人が多いようです。

天ぷら、甘露煮、素焼きなどで食されています。

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