キチジ属魚類の概要
「フサカサゴ科キチジ属魚類」としては、今のところキチジ、ヒレナガキチジ、アラスカキチジの3種類の存在が確認されています。
オオサガやサンコウメヌケなどの「めぬけ類」と見た目が近しいですが、
キチジの胸びれの下のほうに切れ込みがありますから、見分けるのは難しくありません。
めぬけ類:フサカサゴ科メバル属のうち、大型で赤い種類のこと。深海から釣り上げたときに、一気に水圧が変わることで目が飛び出します。
また、キチジ類の頭には複数の頑丈で鋭利な棘がついています。
キチジの特徴
標準和名は「キチジ」ですが、「キンキン」「キンキ」と呼ばれるケースが多いです(特にキンキ)。
背びれの軟条部に黒色で大きい斑紋があります。
身体は紅色です。
駿河湾~千島列島の太平洋側、ベーリング海、西カムチャッカ水域、オホーツク海南西部に生息しています。
大陸棚斜面の水深120~1200メートルほどのところで暮らしています。
大型魚ほど深い位置を、小型魚ほど浅い位置を好む傾向があります。
全長35センチほど。
1歳で8~9センチ、3歳で15センチ、4歳で18センチ程度となり、以降は1年で1~2センチほど大きくなっていきます。
北海道近海における産卵期は2~5月頃。
漁獲方法のメインははえ縄、刺し網、けた網、底引き網など。
青森県、岩手県、宮城県、北海道の漁獲量が多いです。
キチジの美味しい食べ方
キチジの旬は冬です。
「北日本においてトップクラスで美味しい魚」と評価されています。
やや柔らかい白身魚であり、脂が乗っていて非常に美味しいです。
鍋料理、塩焼き、から揚げ、煮つけなどがポピュラーです。
新鮮であれば寿司ネタや刺身にも。
加工品としては、かまぼこ、粕漬け、干物などがあります。
大正~昭和頃には大半のキチジが「肥料用魚かす」になっていましたが、今では高級魚として扱われています。
アラスカキチジ
北海道北部~オホーツク海、カリフォルニア、北アメリカ西岸、ベーリング海などに分布しています。
水深100~1500メートルほどの位置で暮らしています。
日本近海における漁獲量は少ないです。
全長1メートル程度。
キチジよりも「背びれの棘状部の黒班」がぼやけていて薄いです。
また、キチジに比べて体高が低いです。
通常は、内臓と頭を除去した状態(ドレス)で冷凍輸入されています。
煮つけなどが人気です。
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