日本の食文化を形作る カツオのお話

鰹 とと

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」という俳句に象徴されるように、カツオは昔から日本人の食文化と深い関係を持ってきました。

現代でも、お刺身やたたきはもちろん、カツオ節やカツオ粉の形でカツオは私たちの日常になくてはならない存在とも言えます。

今回は、そんなカツオについてご紹介します。

生態

カツオは、熱帯から温帯にかけての世界中の海に生息しています。check日本では太平洋に多く、日本海側ではめったに水揚げされません

熱帯・ 亜熱帯海域で産卵後、孵化した稚魚は数週間で遊泳力をもつようになり、眠るときに速度を落とす以外は、時速3~4キロで昼夜を問わずに泳ぎ続けます。

日本近海のカツオは春から夏にかけて三陸沖に北上し、秋になったら南下して再び南洋へ戻ります。

栄養

カツオは、他の青魚と同様DHA、EPAと呼ばれる不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

「食べると頭がよくなる」と言われるDHAや、血液の流れを良くする働きがあるEPAは、年齢問わず積極的に摂取していきたい栄養素ですね。


また、カツオは赤身魚なので、鉄分やたんぱく質も豊富。アスリートにも注目される低カロリー高タンパク食材でもあります。

コレステロールを減らし、肝機能を高めるタウリンも豊富なのも特徴。

日本近海のカツオは、春から初夏に黒潮に乗って三陸沖に向けて北上していきます。

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この北上するカツオが水揚げされたものが「初鰹(はつがつお)」。俳句の季語にも使われるほど、日本人にとって季節を感じさせるものだったんですね。

一方、日本近海で餌を食べて成長し、まるまる太ったカツオは秋ごろに南の海に戻っていきます。この時に水揚げされたカツオが「戻り鰹(もどりかつお)」と呼ばれるものです。

一般的に初鰹はcheck戻りカツオに比べて脂肪分が少ないのでヘルシー。また、脂肪分が少ない分加工しやすい初鰹は、鰹節の原料としても使われます。

一方、戻りカツオは餌をたくさん食べて丸々肥えています。初鰹と比べてビタミンや鉄分の量はほとんど変わりはないですが、脂肪含有量は初鰹の10倍以上。お刺身で濃厚な旨味を味わってください。

美味しいカツオの見分け方

店舗でカツオを見かけた際、check美味しいカツオは身が引き締まっており、身の色が鮮やかな赤紅色をしています

カツオが酸化しやすいので、鮮度が落ちると色素の中に含まれる鉄分が酸化し、黒っぽい赤色へ変化します。

また、一本丸ごと買う機会がある時は、ぜひお腹の縞模様に注目してください。鮮度の良いカツオは縞模様がくっきりしていて、時間とともにぼやけていきます。

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