チダイの特徴
チダイは北海道南部から朝鮮半島南部に生息していますが、琉球列島には分布していません。大陸棚上の岩礁、砂底、砂れき底で暮らしています。
産卵期は海域によって大きく違いますが、北に生息するチダイほど早くなります。
ちなみにチダイによく似た「マダイ」も、産卵期が海域によりかなり異なりますが、南にいるマダイほど早くなります。
そしてチダイの産卵期は以下の通りです。
九州西海域:10~11月
日向灘、土佐湾:11~12月
山形県、秋田県沿岸:7~10月(ピークは7~8月)
最終的な全長は45センチほどです。
チダイは仔魚、稚魚までは内湾の藻場域で暮らします。
そして、岩魚になると沿岸の粗砂域や砂泥域に移動します。さらに、成魚になると大陸棚や岩礁域で過ごすようになります。
チダイたちのエサも成長度により異なります。
成魚になるとタコ類、イカ類、クモヒトデ類、大きな甲殻類などを食べます。
漁獲方法のメインは定置網、底引き網、吾智網(船引網に分類されます)、刺し網、はえ縄、一本釣りなどです。
主に福岡県、島根県、山口県、長崎県などで漁獲されています。
チダイとマダイの見分け方
チダイとマダイの見た目はかなり似ています。
ですが、尻びれの軟条の数がチダイは9、マダイは8です。
また、チダイは尾びれの後ろの縁が黒くありませんし、鰓蓋(えらぶた)の後縁の膜が赤く、幅広いです。
チダイの美味しい食べ方
チダイの旬は産卵期と同じく夏~秋頃です。
これもマダイとは異なります。
タイ科の魚類の中ではマダイの次に美味しいとされています。
マダイと同様、吸い物、塩焼き、刺身などが人気です。
かすご(春子)とは?
かすごとは、一般的にチダイの幼魚のことを指します。
しかし、マダイやキダイの幼魚もかすごに分類されることがあります。
また、チダイは西日本では「ちごだい」、関東では「はなだい」と呼ばれる場合もあります。
カナリーチダイとは?
地中海からアンゴラ、カナリー諸島に生息しています。
全長1メートル程度にまで大きくなります。
底引き網で漁獲するのが普通です。
西アフリカから冷凍輸入されており、チダイの代用品として食されています(塩焼きなど)。
参考:赤身魚と白身魚の定義は?|
マダイは白身魚です
ヒラメや、今回話題に挙がったマダイは白身魚に分類されます。
そして赤身魚としてはカツオ、マグロ類などがあります。
ですが、赤身魚と白身魚の定義はあるのでしょうか。
魚類の筋肉の色に関して解説します。
魚類が有する主要な色素たんぱく質は、筋肉に含まれる「ミオグロビン」と、血液に含まれる「ヘモグロビン」です。
そして、ミオグロビンとヘモグロビン(特にミオグロビン)を、筋肉を赤色にするレベルで持っているか否かによって、赤身魚なのか白身魚なのかが決まります。
魚類の筋肉は、白色筋繊維から構成されている「白色筋(普通筋、普通肉とも)」と、赤色筋繊維から構成されている「赤色筋(血合筋、血合肉とも)」とに分けられます。
筋肉の大半は白色筋であり、体側の中央部分にのみ赤色筋が存在しています。
赤色筋には多くの色素たんぱく質が含有されており、これは白身魚でも赤身魚でも変わりません。
そのため、白身魚と赤身魚の区分は白身筋で行います。厳密な定義があるわけではありませんが、一般的に「筋肉100グラムに対して、色素たんぱく質が10ミリグラム以上ある」のであれば赤身魚に分類されます。
この基準に従うのであれば、カジキ類、サワラ、マサバ、ブリ、マイワシなど赤身魚にカテゴライズされます。
そして、カレイ類、マダラなどは白身魚であると言えます。
ただ、実際には数値を考慮せず、「身が白いか、赤いか」で区別されることが多いです。
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