入梅とは?
農業では二十四節気をさらに細かく分けた雑節を設けて、季節の目安としています。雑節には節分や八十八夜、入梅、半夏生、土用などがあります。
入梅は暦の上での梅雨入りであり、実際の梅雨入りは地域によって様々で、日本の中でも南と北では1か月以上の差があります。しかし、現代のように気象技術が発達していなかった時代には、田植えの日取りを決める重要な目安となっていました。今年の入梅は、2022年6月11日(芒種から6日目頃)です。
では、この時期におすすめしたいとと(魚)のいめしをご紹介します。
巡る巡る!入梅イワシのカレー天
梅雨のとと(魚)のい食材① イワシ
今月の主役は、イワシ!
この時期に水揚げされるマイワシを「入梅いわし」といいます。産卵前である入梅いわしは、1年で最も脂肪がのっています。つまり、青魚の良質な油が豊富です。魚油のオメガ3系脂肪酸は、体内で合成できない脂肪酸なので積極的に摂りたい脂肪酸ですが、1つ注意点があります。
オメガ3系脂肪酸は化学構造が非常に不安定で酸化しやすいという性質があります。いくらいい油でも、酸化した油は体にとって有害です。たとえば、スーパーに朝陳列された刺身の切り身を夕方買ってきても、魚油は酸化しています。
つまり酸化を防ぐためには、できるだけ食べる直前に捌きたいところです。イワシが嬉しいのが「手開き」で簡単に捌ける点です。詳しくは、また後ほどお話します。
梅雨のとと(魚)のい食材② カレー粉
イワシに組み合わせる食材は、カレー粉です。
湿度の高い梅雨時期は胃腸に水分が溜まりやすいため、食欲不振をもたらします。カレー粉は何十種類ものスパイスがブレンドされていますが、その多くに消化を促して食欲不振を解消する働きがあります。
また、カレーの黄色担当ターメリックには強い抗酸化作用があり、肝機能をサポートします。辛味担当の唐辛子や黒胡椒、生姜は冷えた体を温めます。香り担当のカルダモンやコリアンダー、クミンはだる重さを解消します。
梅雨のとと(魚)のいめし『入梅イワシのカレー天』
1.天ぷら衣にカレーをちょっと足すだけです
天ぷら衣にカレー粉をほんの少量足します。薄力粉にカレー粉を足した時点では、粉の色はほとんど白色です。そんな少量のカレー粉でも、揚げると衣は鮮やかな黄色になります。
(目安:薄力粉 50g、カレー粉 小さじ1)
2.やわらかなイワシは手開きできます
手でイワシの頭を折って、内臓とともに取り除きます。頭側から中骨と身の間に指を入れて骨から身を剥がして骨を取り外します。最後に背びれを取り除いたら完成です。
3.2に1をまぶして油で揚げます
しっかり厚めの衣にした方がスパイスの香りを感じやすいので、イワシにはノリ代わりの薄力粉を薄く塗してから、衣をつけます。
170℃の油で揚げ、中まで火が通ったら完成です。
4.盛り付け
完成です。
ズッキーニ、トウモロコシ、インゲンなどの夏野菜や、アナゴ、キス、ちくわなどもカレー衣がよく合います。ぜひお試しください。
管理栄養士 石松 佑梨(いしまつ ゆり)
世界で活躍するトップアスリートの専属管理栄養士として食トレメソッドを提供し、選手のパフォーマンスアップに貢献する。幼いころから「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」が武器。家庭、飲食店、企業、地域、日本、世界・・・小さな健康を積み重ねて、誰もがおいしく食べて健康になれる社会をつくりたいという理念のもと、今日もおいしく健康に食べるアイディアを考えている管理栄養士。
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著書:過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナル
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