皆さんはご飯のお伴には何がお好きですか?
私は炊き立てのご飯にあさりの佃煮が最高のお伴だと思っています。
そんな私が、今回は愛知県知多半島にある「つくだ煮街道」さんにあさりの佃煮の取材にお邪魔させていただくことになりました。
「つくだ煮は好きだけど、作るのを見るのは初めてなんです!」
伝統のスタイル「オープン窯」
つくだ煮街道さんは秘伝のタレを使って圧力をかけず、ふたのない鍋を使って長い時間をかけてじっくり煮詰めていく「オープン窯」という手法で作っています。
これはつくだ煮街道さんがずっと昔から守り続けてきた伝統的なスタイルで、時間や手間はかかりますが、密閉して圧力をかけて煮る圧力釜ではどうしても残ってしまう魚介類の独特な青臭さを残さずにおいしい佃煮を作ることができるそうです。
「おいしさのために手間暇のかかるオープン窯を使い続けているんですね!」
たくさんの窯が日にかけられているせいで、まるで真夏のような暑さの室内。
この中でオープン窯にずっと鋭い目線を投げかけているのは勤続50年以上の工場長です。
暑さの中でもひるむことなく、ただひたすらにアクをとり、煮汁を継ぎ足す作業を繰り返しながら
「佃煮の素材を煮崩れさせず、柔らかく仕上げるまではいろいろと紆余曲折がありました。火加減だけではなく、煮上がってからの取り出し方までありとあらゆる方法を試して、やっと今の方法にたどり着きました。」
と、語ってくださいました。
窯から取り出す
つくだ煮街道さんでは天然の竹を編んだカゴで出来上がった佃煮をとり出します。
金属のカゴで取り出そうとしたこともありましたが、どうしても素材を崩してしまい悩んでいたところ、pointしなりのある竹を使うことで傷つけずに取り出せることがわかり、それ以来ずっと竹製のカゴを使っているとのこと。
「柔らかい佃煮って美味しいけれど、その裏ではこんなご苦労もあったんですね…」
隣の部屋に移動すると、何時間もかけて煮詰められたあさりが窯から取り出されていました。勧められるままに味見をさせていただくと、思ったよりまろやかなしょっぱさで優しい甘さが引き立つ味わいでした。
ここからさらに味を調整して「あさりの佃煮」が完成するのだそうです。
「柔らかく煮詰められていましたが、あさりの食感も残っていてとてもおいしいです!!」
伝統と愛情の逸品
昔からごはんのお伴として愛されてきた「あさりの佃煮」ですが、何気なく食卓に添えられている小さな小鉢一つにもそれを作る職人さんの心意気やご苦労、ストーリーがぎゅっと詰め込まれているんだな・・・と感じた取材でした。
何時間もの間職人がつきっきりで面倒を見て、じっくりと昔ながらの製法で丁寧に作られたおいしい『あさりの佃煮』
かみしめればかみしめるほどに広がる甘みとうまみの奥底に、ベテラン工場長の愛情と努力を感じられるこだわりの一品です。
ぜひ、炊き立ての白いご飯と一緒に召しあがってみてください。
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