春の自律神経バランスを整える「貝の味噌汁」ナンバーワンは何?管理栄養士が教えます

管理栄養士日記

春は自律神経が乱れやすい季節です。その理由は、気温差が大きく、寒暖差に適応しようとすることで自律神経に負担がかかるためです。さらに、新年度の始まりに伴う生活リズムの変化や、人間関係の変化によるストレスも影響します。また、日照時間の変化によって体内時計が乱れ、睡眠の質が低下しやすいことも要因の一つです。こうしたさまざまな影響が重なり、春は特に自律神経のバランスを崩しやすい季節といえるでしょう。

本記事では、春に酷使しがちな肝臓をサポートし、自律神経のバランスを整えるのに役立つ貝類に注目します。貝類の栄養価や、それぞれの持ち味を活かしたおすすめの料理も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

春の自律神経バランスを整えるのに貝類を推す理由

春は気温の変化や生活リズムの変化により、自律神経が乱れやすい季節です。そんな春の体調管理に役立つのが、栄養豊富な貝類。

貝類は高タンパク・低脂質で、代謝を促すビタミンミネラルが豊富に含まれています。特にタウリンは、春に酷使しがちな肝機能をサポートし、疲労回復やストレス軽減にも役立ちます。また、エネルギー代謝を助けるビタミンB群も多く含まれており、特にビタミンB1は不足しやすいため、意識して摂取することが大切です。

さらに、貝類には亜鉛といったミネラルも豊富。亜鉛は味覚を正常に保ち、食生活の乱れを防ぐのに役立ちます。鉄はエネルギーを生み出すのに欠かせず、不足すると疲れやすくなるため、春の活動的な毎日を支える重要な栄養素です。

このように貝類は、春に必要な栄養を効率よく補給しながら、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。次に、それぞれの貝の特徴について詳しく解説します。

春のコンディショニングにおすすめ貝No. 1は何?

ホタテやアサリ、ハマグリ、シジミ、カキなど、さまざまな貝がありますが、春に最適な貝はどれでしょうか? それぞれの栄養素を紹介します。

眠れない春を整える「ホタテ」の味噌汁

日照時間の変化によって体内時計が乱れ、睡眠の質が低下しやすい時期です。ホタテに豊富なグリシンという成分は、スムーズな入眠を促し、不眠解消にも役立ちます。

またホタテは、貝類の中でも体を冷やしにくいため、寒暖差が激しい春先におすすめ。肝機能を助け疲労回復にも効果的なタウリンは貝類の中でもトップクラスです。

稚貝
ホタテの稚貝(ベビーホタテ)は味噌汁にも◎

おすすめ料理)発酵食品に含まれるGABAとの相乗効果で良質睡眠を目指しましょう!

  • ホタテのキムチ鍋
  • ベビーホタテの味噌汁

春の疲労回復に「アサリ」の味噌汁

活動量が増えやすい春以降。エネルギー生成に欠かせないのがです。鉄が不足すると、疲れやすくなったり、イライラの原因になったりすることも。

アサリには鉄が豊富に含まれていますが、吸収されにくい非ヘム鉄のため、ビタミンCと一緒に摂るのがポイントです。でも難しく考えなくて大丈夫。アサリの味噌汁にネギを入れるだけで、手軽に鉄の吸収をアップできます!

アサリ汁
アサリの味噌汁はネギをプラス!

おすすめ料理)ビタミンC豊富なネギや菜の花、キャベツ、白菜などと組み合わせると◎

  • アサリと菜の花のボンゴレ
  • アサリと芽キャベツのクラムチャウダー

飲み会続きの春をいたわる「シジミ」の味噌汁

歓迎会やお花見など人の集まる機会が多く、飲み会が増えやすい春。シジミに含まれるオルニチンは、肝臓の働きを助け、二日酔いの予防や回復をサポートしてくれます。またオルニチンは冷凍保存することでさらに増えることがわかっています。

シジミ汁
しじみは冷凍してから使う!

おすすめ料理)冷凍保存したシジミを使えばオルニチンの含有量アップ!

  • (冷凍シジミで)シジミ汁
  • (冷凍シジミで)シジミのガーリック炒め

食事の乱れをリセットしたい「カキ」の味噌汁

この時期は外食が続きやすい時期でもあります。味の濃い食事に慣れて、味覚が乱れやすくなります。その結果、塩分や糖分を摂りすぎてしまい、肥満の原因になることも。そんなときにおすすめなのが、亜鉛を豊富に含むカキ。亜鉛は味覚を正常に保つのを助け、濃い味に偏りがちな食生活を整えるサポートをしてくれます。

また亜鉛も鉄同様、ビタミンCと組み合わせることで吸収率を高めることができます。焼きガキにレモンをしぼるのは美味しさだけでなく、栄養的にもメリットがあるのです。

おすすめ料理)菜の花や大根、レモンなどのビタミンCを組合せて!

  • カキと大根の味噌汁
  • 焼きガキ(レモンをしぼって!)

まとめ

貝類は春に酷使しがちな肝臓をサポートし、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。しかし、体を冷やしやすい性質も持つため、温かい料理での摂取や、ネギや生姜などの薬味を活用して体を温める工夫が大切です。春先の寒暖差が激しい時期には、体を冷やさないホタテを選び、少しずつ暖かくなってきたらアサリやシジミを取り入れるのも良いでしょう。

なお、春のコンディショニングに最適な貝は人それぞれ異なります。自身の体調や気分に合わせて選ぶことをおすすめします。貝類は、活動的な春の頑張りたい気持ちを最後まで応援してくれる食品です。ぜひお試しください。

(参考:日本食品標準成分表 2020年版(八訂))

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