ホウボウについて
ホウボウ科魚類の頭は骨(骨板)に覆われていて、体は円筒のような形をしています。
吻(くちさき)の先端に数本(1本の場合もある)の棘がついています。
大きな胸びれを持ち、その下部には肥厚して遊離した軟条が3本ついています。
遊離した軟条を左右合わせて6本持っており、6本それぞれを動かして微生物を探します。その様子から「まるで歩行しているよう」と言われることもあります。
胸びれの内面の特有の模様があり、体が赤いです。
胸びれを大きく広げて威嚇します。
また、うきぶくろを用いて音を発することもあります。
これが「ぼーぼー」という音であるため、ホウボウと名付けられたという説があります。
体長は大きなもので100センチほど。
温帯~熱帯の暖かい海に生息しており、日本だけでも20種類ほど、世界全体では100種類を超えるホウボウ科魚類の存在が確認されています。
ホウボウの特徴
北海道南部~黄海・渤海、南シナ海に生息しています。
水深25~615メートルあたりの泥、貝殻、砂などが混ざった砂底に住んでいます。
全長40センチほど。
体の上半分ほどは灰褐色で、赤い班が規則無くついています。
下半分は白いです。
胸びれが大きく、その縁辺は青く、内面は濃いウグイス色。
また、下半部には細かな青白色の縁紋が散らばってついています。
冬~春頃が産卵期。
仔魚・稚魚は浮遊しながら生きていますが、全長2センチくらいからは胸びれの下のほうの軟条が遊離して、海の底で過ごすようになります。
大きくなるにつれて海の深い位置に動いていき、最終的には大陸棚の水深100~200メートルあたりをメインとして暮らすようになります。
1年で13センチ、2年で20センチ、3年で24センチ、4年で28センチ程度まで成長して成熟します。
肉食であり一番よく食べるのはエビ類です。
また、小魚、シャコ類、カニ類などもエサにします。
漁獲方法のメインは底引き網。
年中漁獲されていますが、ピークは冬~春頃です。
冬場は沿岸に寄ってきますから、瀬戸内海でも釣ることが可能となります。
ホウボウの美味しい食べ方
ホウボウの旬は冬です。
白身で歯ごたえがあり美味。
刺身(薄造り、昆布締めなど)、揚げ物、蒸し料理、鍋の具材、煮つけ、塩焼き、汁物の具材などとして食べるのが人気です。
ちなみに日本ではホウボウだけでなく、オニカナガシラ、カナガシラなども食べます。
ミナミホウボウの特徴
ニュージーランド、オーストラリア南部~南アフリカまでの西太平洋・インドに生息しています。
最終的な全長は60センチ程度です。
ホウボウに見た目が似ていますが、ミナミホウボウのほうがホウボウに比べて眼が大きいです。
また、胸びれの内面は緑色であり、黒い班が1つついています。そしてその黒い班の中に、細かな白い班がいくつか散らばっています。
そのため、特に胸びれを見れば「ホウボウ」と「ミナミホウボウ」を簡単に見分けることが可能です。
また、ホウボウはミナミホウボウに比べると、体が全体的に赤っぽいです。
ミナミホウボウはニュージーランドなどから冷凍状態で輸入されていますが、鮮魚として入ってくることもあります。
食べ方などはホウボウとほとんど一緒です。
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