アンコウ類の特徴
「アンコウ科魚類」は頭が大きく、その頭は背腹のほうへと押されたようなフォルムをしています。また、頭の前縁には大きな口があります。
頭の上には「疑餌状体」がついており、これには「エサだと思わせる」という役割があります(誘引突起)。
実はこれは背びれの一番目の棘状が形を変えたものです。
そして英語では「Anglerfishes(釣りをする魚)」と呼ばれています。
砂泥底に少し潜って、擬餌状態を動かして、エサとなる生物を口のそばまでおびき寄せます。そして丸呑みにします。
ちなみに深海に生息チョウチンアンコウの擬餌上状体は光ります。
ここでは人間が食べているアンコウ類のうち、「キアンコウ」「アンコウ」「ニシアンコウ」について解説していきます。
キアンコウの特徴
「アンコウ」として親しまれ、冬場を中心に食されているものとしては「アンコウ」と「キアンコウ」があります。
実は魚売り場でも、アンコウとキアンコウを区別するケースは少ないです。
外見も非常によく似ているアンコウとキアンコウですが、口内を観察するとすぐに見分けることができます。
アンコウとキアンコウの下アゴは上アゴよりもやや出ています。
その下アゴを指で軽く押して下げると、口内を見ることができます。
そして、
アンコウ:口内に白い班がある
キアンコウ:口内に白い班がない
という違いがあります。
これで一目瞭然です。
また、アンコウは南日本、キアンコウは北日本に多いです(完全に分かれているわけではありません)。
北海道以南、黄海~東シナ海北部にキアンコウは住んでいます。
砂泥底の水深25~560メートルくらいの位置で暮らしています。
産卵期は以下の通りです。
本州南部:3~6月頃
東シナ海:3~4月頃
北海道:6~7月頃
場所によって産卵期が異なり、北であるほど時期が遅れます。
主なエサはタコ類、イカ類、魚類ですが、ウニ類、ヒトデ類なども食べます。
また、キアンコウが「自分に比べて体が長い魚」を食べる場合もあります(マアナゴなど)。
北海道では、秋の終わり~冬頃に「アンコウ刺し網」をメインに漁獲が行われています。
他の季節でも漁は行われていますが、やはりアンコウへのニーズが強くなるこの時期が漁獲のピークです。
また、他の地域でも刺し網漁、底引き網漁などが行われています。
キアンコウの美味しい食べ方
キアンコウの旬は冬です。
見た目がややグロテスクな魚ですが、大変美味です。
やはり「(キ)アンコウ鍋」が大人気ですし、ちり鍋としても親しまれています。
また、鮟肝(アンコウの肝臓)も愛されています。
他にも「蒸してポン酢で食べる」など色々な楽しみ方があります。
アンコウのつるし切りとは?
アンコウをさばく方法の一種です。
小さめのアンコウであればまな板でもさばけますが、大きいアンコウとなると非常に困難となります。
つるし切りでは、まずアンコウの口にカギを装着してつるします。そして水を胃に注入して、身を切り取ったり、皮を剥いだりしていきます。
アンコウの特徴
北海道以南、アフリカ、フィリピン、東シナ海に住んでいます。
砂泥底の水深30~500メートルくらいのところで暮らしています。
最終的な全長が1メートルを超えることもあります。
先ほどもお伝えしましたが、「キアンコウ」もアンコウと呼ばれ、市場でも同じものとして売られる場合が大半です。
実際、家庭レベルでは区別する必要もないはずです。
ニシアンコウの特徴
地中海、東部北大西洋、黒海などに生息しています。
沿岸から水深1キロまでの砂泥底で暮らしています。
体長が2メートルほどになる個体も存在しますが、通常は1メートルくらいで成長が止まります。
ヨーロッパから冷凍状態で輸入されています。
ちなみにアンコウ・キアンコウとは皮の色合いが異なります。
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