江戸時代からの高級魚!アンコウの話。

アンコウ とと

冬になると食べたくなる鍋料理。お魚を使った鍋料理の王様「アンコウ鍋」と答える方も多いでしょう。

江戸時代から「三鳥二魚」と言われる5代珍味にも数えられ、古くから高級食材としての地位を築くアンコウ。でも、旬や生態を詳しく知っているというかたは多くはないのではないでしょうか。

今回は、そんな高級魚「アンコウ」についてご紹介します。

アンコウの分類

アンコウは、「アンコウ目アンコウ科」に分類される魚を指します。この中で食用となるものが、私たちが一般的に「アンコウ」と呼ぶ魚になります。

食用のアンコウの代表的なものは、キアンコウクツアンコウがあります。水族館で良く見る「チョウチンアンコウ」は、分類上違う魚(アンコウ目チョウチンアンコウ科)で、食べることはできません。

アンコウの生態

アンコウは北海道から南の海の深海に生息しています。平べったい体は海底の砂地に隠れるのに適しており、背びれの先を「擬似餌」としてエサとなる魚を誘います。

ちなみに、アンコウは英語で「Anglerfish」と呼ばれていますが、この「Angler」は「釣り人」という意味です。

アンコウは底曳漁で他の深海魚と一緒に漁獲されます。check全国でもっとも多く水揚げしているのは山口県の下関。ほかにも、茨城県の水戸や大洗では冬の名物としてアンコウを大々的にPRしています。

また、青森県風間浦では、刺し網でのアンコウ漁が行われています。

生きたままアンコウを漁獲できるこの漁法のおかげで、この地域では全国的にも珍しいアンコウの刺身を楽しむことができます。

国外では中国・韓国でも多く水揚げされ、これらの国から鮮魚や冷凍魚が多く輸入されています。

旬と味

アンコウというと「冬の魚」というイメージがありますが、これはアンコウの代表的な食べ方がアンコウ鍋だからという理由が大きいです。

アンコウは真夏(7月〜8月)以外の時期通年で漁獲されています。最も美味しいとされるのが、産卵寸前で肝が大きくなる春先です。

特徴的なアンコウのさばき方

アンコウはさばき方も非常に特徴的です。軟骨が多く柔らかく、さらに体表から粘液が出ているので、通常の魚のようにまな板で捌くことがとても難しいため、吊るしてさばく方法が一般的です。

下顎に大きなカギをかけてぶら下げ、口から水をいれて胃袋を膨らませ安定させた上で、さばいていきます。

家庭でさばくのはなかなか難しいかもしれませんね。

捨てるところのない魚

アンコウは捨てるところがない魚としても有名です。

check「鮟鱇(アンコウ)の七つ道具」と呼ばれる可食部は、たんぱくで上品な味わいの①身、コラーゲンたっぷりな②皮、心地良い歯応えの③胃・④ヒレ・⑤エラ、ヌノと呼ばれる形状が特徴的な⑥卵巣、そして、濃厚な味わいで「海のフォアグラ」とも称される⑦肝の7つの部位です。

特にアンコウの肝の美味しさは格別とも言われ、アンコウの高級食材としての地位を確立させる大きな理由となっています。

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